第330話

文字数 429文字

 書きたいから書くんだ。あとのことは、どうとでも好きに、勝手にすればいい。俺の知ったこっちゃない。
 自殺、か。いざとなれば自殺。死があること! こいつに、どんなに助けられて来ただろう! 俺には常にあったのだ。いざとなったら自殺。ハイ、ソレマデヨだ。笑っちゃうねえ。
 そして自殺などできず、来たんだから。たぶん、しない。当面、ない。
 一緒に暮らす人、実家の兄、そのあと、ほんとにひとり、ひとりになってからだよ。そうだ、いつ死ぬか、これはどんな死であれ、わからないのだから、遺言書いておくよ、って言ったんだっけ。明るく、快活に! 甥、姪に手間を掛けたくない。実際、大変なんだ、残された親族は。

 冗談がいいね。生きてるうちに、笑うがいいよ。死なんてね、そこら辺にごろごろ転がってんだ。精力的に動き、強いように見えてたってね。遺言も笑い話になる。いや、だいじなことだよ。笑って暮らす。大切なことだ。嬉しいことだ。
 自分にとっての問題。ひとりひとり、やってって下さい。
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