第134話 「災い」転じて…

文字数 992文字

 しかし眼の調子がおかしくなって、よくラジオを寝る前に聞くようになった。
 なるべく眼を休めたい。しかし瞑っているだけではツマラナイ。で、ラジオの登場だ。
 眼がわるくなっていなければ、この発見はなかった。
 よく、トシをとると医療費が嵩む、という話を聞くけれど、できれば逆行したい。トシをとるからこそ、医療に頼らず、自分の力、自然治癒力みたいなもので、ゆっくり治していきたい、と。トシをとってまで、そんなあくせく、急いで治す必要もなかろう、と。病気と仲良く、つきあっていけたらと思う。
 コロナも、これからまた増えていくだろう。困ったものだ。こないだ東京に行った時、予備校時代からの師匠?と会ったが、ちょっと気の毒だった。あまりにもコロナを警戒しすぎて、マスクは二重、ぼくとの距離にも神経質になって、ちょっとでも近寄ろうものなら、手で払い除けんばかりだった。お店に入って、ボード越しなら安心したようだったが、あれでは生活していくのが大変だろう。
 人の中では、マスクをして、セキやくしゃみをしない。入店前に、手を消毒。自分としては、これを守るだけでいい、というスタンスで、コロナとつきあっている。帰宅すれば、うがい、手洗い。やるべきことをやって、これで罹ったら、もうしょうがない。

 どこか身体の調子が悪くなり、あるていど年齢が行くと、「加齢だから」というふうに見られる。「トシだから」というのは、何にでも通用する。便利な理由だ。確かにトシをとったから不具合が出てくるのは事実だろう。でも、それでは、まるでせっかくトシをとった身体さんに失礼ではないか?
 ゆっくりゆっくり、いたわっていく… それが正しい(?)身体さんとのつきあい方のような気がする。今まで、できたことができなくなる、自然なことだ。「あの頃」と比べられたら、身体さんもガックリするではないか。せっかくここまで、やってきてくれたのに。
「生・老・病・死」の「四苦」が人生である、とインドの偉いお坊さんが言っていたけれど、それを苦とするも、どうするも、自分次第。
 とりあえず、今ある… 自分と、その状況、環境。これをとにかく受け止めて、そこから始めたい、と、思うことができている。
 思うことができるなら、あとは、その思いを、ゆっくりゆっくり、体現すればいい。
 災いさんは、きっと福さんとツルんでる。ふたり、遊んでるんじゃないか、人間と。
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