第332話 家族

文字数 427文字

 私にとっての義姉、その死をきっかけに、義姉のきょうだいとも葬式や納骨のときに初めて親しくなり、また私の実の兄ともいまだかつてないほど話を、今までしたこともなかったような話を、初めてできている。
 自分が生まれた時から見ていた存在。その最後の人が、兄である。また、兄にとっては、亡くなった母や父との思い出話をともにできる、唯一の存在が私であろう。
 これは、何としても尊く、貴重な存在に思える。
 一時期、私の実家は三世代が住んでいた。両親が一階に、二階に兄と嫂、三階にその子ども二人の部屋。
 両親が死に、子ども達は成人しこの家を離れ、嫂が死に、今兄が独り、広い家にたった独り、残されてしまった。
 食生活は大丈夫か、何しろ炊事をしたことがないから、これが一番気になる。妻が死ぬと、夫も後を追うように死んでいく話をよく聞く。本を読めるのも生きてこそのことで、とにかく本を読むことを生き甲斐のようにして、また健康に留意して、また来る日々を過ごしてほしいと切に願う。
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