第158話

文字数 687文字

 しかし昨日の、ポーランドにミサイル着弾、爆発…村人二名死亡… 結局迎撃ミサイルで、ロシアからのそれではなかった、ということだったが、要するに、いつ第三次大戦になってもおかしくないという世界にいるんだな、と実感せられた。
 悲しみ、とか、怒り、とか、どうにもいいようがない。いきなり、青い空から爆弾が来る。いつもの日常、いつもの仕事をしている時に。そんなことが起こらないような世界も、つくれたはずなのに?
 きっと戦争は、起きるものでなく、起こすものだ。起きるのではなく、起こすのだ。
 戦争なんだから、仕方ない、なんて、あきらめられるものではないと思う。あきらめては、いけないことだと思う。
 つながりを思う。ひとりで、生きてるものではない。どんな離れた対岸の火事、地球の裏側で起こったことも、つながっているのだ。

 ソクラテスのダイモーンを想う。かれが、これをやろう、とした時に、「やめておけ」といってきた、セイレーンのようなもの。それは、「やれ」といってくることはなかった。
 かれが、やろうとしたことを、やめろ、と。その声をソクラテスは聞き、必ず従った。聞こえない時は、そのまました。
 それは、かれの内面の声だったのだと思う。精霊とか、神ではなく、かれに備わっていた、かれ自身の心だったと思う。
 正体不明のものだから、霊的なもの、いえば宗教的なもの、ともいえるが、ぼくにはそれがソクラテスの良心だったと思える。かれに対して、かれを良かれとする、良心だ。

 ロシアからの砲撃でなかったから、よかった、なんて思えるわけがない。
 いつ、大戦が行われてもおかしくない世界に、ぼくらはいる。
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