第54話 手前のこと

文字数 525文字

 なんかサッパリしたくて、髪を切る。ほとんどボーズ頭に(笑)←笑!
 美容室にはしばらく行っていない。バリカンをひたすらあてる。ひとり、真っ裸になって(失礼)、風呂場にて。
 だいたいが、バカな男なのだ。いいトシこいて、一緒に住む女に、「素敵だねえ!素敵だねえ!」を一日たりとも欠かさず言い、頬にキスも同様に欠かさず、ギロリと睨まれればすごすごと退場する。
 ここでは書けないようなことも平気で言い、しかし何だかんだと笑い合って生活している。
 いいのだ、これで。
 笑わない生活なんて、やりきれない。
 ひとりで笑っていては、ほんとにばかみたいだけど、一緒に笑い合える相手がいるのだ。
 スヌーピーのお兄さんのスパイクは、サボテンに向っていろいろ話し掛けていたけれど、やっぱり人間相手がいい。

 しかし湿気がひどい。戻り梅雨。梅雨は、ほんとにつらい。空気が重すぎる。気温も高い… こうなったら、久しぶりに銭湯に行って、ひとり思い切り汗をかいてやる。
 炭酸風呂と、ミストサウナと、水風呂。黄金のトライアングルに、はまってやるのだ。
 行くまでに汗、行って汗、帰るまでに汗。
 何をしているのか、とも考えないで。
 夏は暑いんだから。
 歩こう、歩こう。わたっしは、元気、だ。
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