第19話 ココロとカラダ

文字数 1,108文字

 それにしても、心と体は密接な関係にあると思った。
 体がおかしくなっても、心は元気だったのに、徐々に徐々にくじけていった。
 だが、その間にも、時間が過ぎていた。
 足腰が妙になって、もう二十日くらいが過ぎて、この間に、なにやら変化が生じた。
 まず、性欲がなくなった。これは、どうしたことだろう? よく、エッチなサイトなども見ていたのに、すっかり見なくなった。見る気も起きない。
 それから、食欲もない。チャンと食べているが、以前ほど食べたいと思わない。食べたいと思うものも、そんなにない。
 お酒も飲みたいと思わない。「爽健美茶」みたいな、お茶でいい。お茶がいい。
 睡眠欲もない。これはただ眠れないということだが、その前に、眠りたい、とそんなに思わない。
 タバコだけは吸っている。

 要するに、「欲」がなくなった、という気がする。
 何か考えてはいる。だが、考えているだけなのだ。
 ここに何か書いていても、「ハクション大魔王」の「それからどした」おじさん(?)みたいに、それで、どした、というふうになっている感じがしないでもない。
 何かに対してこだわりがあるから、書いていると思う。そのこだわりは、ある。
 だが、イイことを書こうとか、「作品」なのだから、しっかり、という意識が、以前ほど強くない。
 自分と、文章が、一致したい。今まで、書いていると、その「書いている」という行為が一人歩きして、実際の自分が置いてけぼりを食らう、そんな時があった。
 それは虚勢であり、書いている行為に実際の自分が「乗っ取られる」、そして乗っ取られた勢いのまま、つまり虚勢に虚勢を重ねるようにしてパソコンに向かい、「自己表現」をしようとしていた、というフシがある。
 ブログをやっていた時が、そのピークだった。

 … だが、こう今書いていると、あの虚ろな勢いも、書いている時は虚ろでなかった。虚ろどころか、ヤル気マンマンだった。むしろ、今のほうが虚ろそのものなのか?
 よくわからない。
 そう、よくわからない。それがずっと、続いているだけで、何ということもないのだ。
 昨日、なんたらに応募作を投稿して、ずいぶんキマッタセリフを削除したことを思い出す。
「ただ過去に恋人になった。その延長線上に、ふたり、ただ、今もつきあっているだけではないか」
「人を好きになるのは自由だ。自由が、人間を人間とさせる、根本のものだからだ。そして人間は、その自分の自由に対する責任があるのだということ」
 みたいなこと。
 … キマッテ、ナイナ。

 とにかくこの二十日間で、変化を感じている。
 ああ、ほんとに変わるんだなあ、と実感している。
 という、じつにたいしたことのない話でした。
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