第91話 眼

文字数 695文字

 しかし眼というもの、見えづらくなるのは、かなり絶望した。
 自己判断だが、飛蚊症というものだと思う。
 本を読もうとしても、その文字と眼の間に、蚊みたいな、糸くずみたいなものが、すぐそこにあるようにふわふわ浮いていて、文字を追うのもつらい。
 薄く、その浮遊物が見えているぶんには大丈夫だったが、立体的に、ほんとにそこに実在するように浮いているのだ。
 まいった。
 今までも、不安や絶望、焦燥感に駆られると、たいてい文を書くことで、気持ちも落ち着き、「書くこと」が自分にとって自己セラピーのような、大切な作業だった。
 それができなくなるという不安。
 これはこたえた。

 そんな中、気を紛らわしてくれたのはラジオであった。
 眼をつむり、横になっているしかない。よからぬことばかりが頭を渦巻く。小さなラジオを耳元で操作し、チューニングする。ふだんは音楽のFMを、AMにすると、いろんな番組があった。
 ずいぶん勉強になる。英会話講座を聞いたり、今日おこなわれる国葬についての、江川紹子さんと神奈川大学の教授との対談のようなものも面白かった。やはり国葬は論理として破綻しているし、これだけ民が反対しているのに、おこなわれるべきではない、その理由も理路整然と解説されていた。

 外国も、なにやら「右派」とよばれるものが幅を利かせはじめ、危険な方向へ川が流れている感じがする。
 
 しかしこうして書いていても眼がつらいので、そろそろ終わろう。
 久しぶりに更新したくなって、更新した。また、あさってから義父母やら東京の友人知人に会いに行くので、しばらく更新がなくなります。
 しっかり、いきていきましょう。自分にいう。
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