第117話 「みんなと違う」意識が

文字数 537文字

 その人の羽を、自らもぎ取っているとしたら、残念だ。
「みんな」がこうしているからって、自分もこうしなければならない、そんな自縄自縛が、びくびく、きょろきょろ、自信なさげに小心翼々、縮こまっているのは残念だ。

 まるでそれが、生きることだと飼い慣らされて
 そうしないと生きてゆけないと
 うまれた時から、色眼鏡
 いつのまにか、あてがわれて

 むりもない、むりもない
 きみはであったのだから
 まわりの影響 受けずにはいられない

「もういいオトナだろ」とか「シャカイジンだろ」とか
 そんなこと言ってる連中は
 ひとりじゃ何もできない
 烏合さえおこがましい
 デキソコナイの集りだよ

 まわりの歩調に合わせて歩くうち
 自分の歩き方 忘れちゃったね
 ひとりで、どうやって歩けばいいのか
 きみは途方に暮れている
 ひとりでうまれ、ひとりでしんでく人生なのに
 他人の足で歩いて来ちゃったネ

 自分の足があったのに
 置き去りにされた きみの足

 思い出そう 忘れ形見
 みんな、実は無であったこと

 手も足も出なくなる
 その前に

 軍隊の行進 つくった世界

 肝心な自分の足の


 探そうともしない
 無関心な迎合の衆
 その一員になることはない

 きみは きみの足で
 歩いていこう

 心細いって
 素敵なことじゃないか
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