第233話 ジタン恋し、美味いもの考

文字数 1,161文字

 ほんとに幸せな気持ちにさせてくれたジタン。このタバコが吸えなくなって、しばらくタバコ・ジプシーになった。

 そしてジタンに代わりうるタバコは、今のところこの世にない。

 で、やむなく、アイコス。また、ジタンの美味しさに気づく前まで吸っていた、メビウス6のソフト。

 この二刀流(!)でやっていく、凌いでいく、ということになりそうだ。

 セブンスター、ハイライト、ウィンストン… 色々吸ったが。ハイライトは、タールの多さにビビッた。これを吸い続けたら、死ぬと思った。セブンスターも結構キツい。ブラック・デビルも試したが、これは不味かった。

 美味しいものは、「また食べたい」と思うもの。タバコは食べないけれど、似たようなものだ。

 タバコなんて、なくても生きられるものだ。きっと、美味しいものだって、同じだ。

 でも、美味しいものを求めてしまう…贅沢、贅沢。

 しかしそれが、「このために生きている」「生きててヨカッタ」みたいに思える、かけがえのないものなのか。

 ほんとに未熟、ピヨピヨのひよっこだなぁと思う。

 生きてるだけでありがたいのだ、なんて、全然思っていないように思える。

 それが基本中の基本なのに。

 ところで、二刀流といえば大谷翔平。いきなり話は変わる。

 この人の考え方、ほんとうにしっかりしている。

 セイコーのCMで言っていることらしい。「バッターボックスから離れなければならない時が来る。ピッチャーズマウンドから離れなければならない時が来る。いずれ、そういう時が来る。だから、だからこそ、僕はその時まで、自分がどれだけ野球がうまくなれるのか、挑戦して行きたい」

 生きている時間には限りがある。だから、だからこそ、精一杯、生きるんだ── そんな人生訓に聞こえる。

 僕はずいぶんナマケて来たし、これはこれで、僕なりにたぶんガンバッテ来たと思う。

 まだ残りの時間があるみたいだけれど、大谷翔平になれないとしても、そのような心構えだけは持てる。そして、たぶん今まで通り、特に変わりなく、ナマケて、だらだらとやっていくんだと思う。

 しかし大谷選手はほんとにすごい。「彼は打ち方を教えてくれない」と、仲の良い選手が大谷について質問したマスコミに答えたそうだが、それを聞いた大谷は、「僕は教えるような打ち方をしていないので」と言ったそうだ。

 そう、彼の打ち方は、彼に合った打ち方なのだ。彼自身が見つけ、彼が身につけた打ち方なのだ。落合博満が、「あれはメチャクチャな打ち方ですよ、子どもはマネしちゃいけない」みたいなことを言っていた時もあった。

 生き方も、きっとそうなのだ。

 自分に合った生き方。それは自分にしか見つけられない。誰に教わるものでも、教えるものでもない。自分で、その身につけるもの。

 いや、しかしほんとにすごいよ、大谷選手は。
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