第53話
文字数 473文字
やはり書かなければならないだろう。
奈良で起こった、元首相の銃撃事件。
大和西大寺駅まで、ぼくの住む近鉄奈良から二駅しか離れていない。
今日はずいぶん、ヘリコプターが長い時間、空を飛んでいた。
「奈良で安倍総理、撃たれて心肺停止だって」家人が部屋に来て言った。
「奈良で?」
「西大寺だって」
そんな会話をした。
あまり、好きでない政治家だった。でも、こういう最期を遂げるとは…。
何も書けなくなって、庭でこないだ切った月桂樹の整理をする。
何となく、外の空気が、シンとしている気がした。
全く予想、想像だにしていなかったことが起こると、やはり動揺するものなんだと思った。
ネットのニュース映像を見たりする。午後は、ずっとこのニュースばかり流れていたようだ。
しかしこの動揺は何なんだろう? 戦争が始まったニュースを見た時もそうだった。
ノーテンキに自分の世界に閉じこもって、文章なんか書いてる場合じゃない、と思えてくる。
妙な緊張感が、今この島国を覆っている気がする。
殺傷、暴力沙汰からは、何もうまれない。
そんな、ありきたりのことしか言えない。
奈良で起こった、元首相の銃撃事件。
大和西大寺駅まで、ぼくの住む近鉄奈良から二駅しか離れていない。
今日はずいぶん、ヘリコプターが長い時間、空を飛んでいた。
「奈良で安倍総理、撃たれて心肺停止だって」家人が部屋に来て言った。
「奈良で?」
「西大寺だって」
そんな会話をした。
あまり、好きでない政治家だった。でも、こういう最期を遂げるとは…。
何も書けなくなって、庭でこないだ切った月桂樹の整理をする。
何となく、外の空気が、シンとしている気がした。
全く予想、想像だにしていなかったことが起こると、やはり動揺するものなんだと思った。
ネットのニュース映像を見たりする。午後は、ずっとこのニュースばかり流れていたようだ。
しかしこの動揺は何なんだろう? 戦争が始まったニュースを見た時もそうだった。
ノーテンキに自分の世界に閉じこもって、文章なんか書いてる場合じゃない、と思えてくる。
妙な緊張感が、今この島国を覆っている気がする。
殺傷、暴力沙汰からは、何もうまれない。
そんな、ありきたりのことしか言えない。