第227話 梅雨バテ

文字数 607文字

 湿気が多いと、汗が蒸発しない。蒸発しないから、発汗ができにくくなる。で、体温が内にこもることになって、ダルくなったり頭がボーッとするようになる── これが「梅雨バテ」を引き起こす原因であるらしい。

 原因がわかると、ホッとする。ああ、このために、と思えるからだ。

 心、なんでこんな心なんだろう、と、その心の原因もわかれば、さらに安心できるというものだが、その心はなかなか正体不明なままだ。

 身体の作用によって、心が憂鬱になることは分かった。

 で、心の作用によって身体が不調になることも分かっている。

 いやなことがあれば食欲もなくなる。夜も眠れなくなる。

 夜、寝る前にいろいろ考える。今までのこと、先のこと。

 すると、その考えに引っ張られて、いよいよ眠れなくなる。

 だが、いつのまにか寝ていたりする。

 自分の場合は特に、この心、精神作用のようなものに、大きな影響を受ける。

「気持ち」に、身体が持って行かれる。この「気持ち」に、どんなに左右されてきたことだろう!

 この気持ちは、自分を死なせようとしたり、生かそうともする。「気持ち」の、ぼくは操り人形だ。

 気持ちを、操れるようになりたいものだ。

 ムリな話だろうか。

 でも、そうすれば「生きやすく」なることをぼくは知っている。

 知っているのに、そうできない自分があることも知っている。

 そうして、こんな言葉にして、少しは気が楽になっているらしい。

 おめでたい奴だと思う。
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