第282話 笑顔

文字数 767文字

 いつかも書いたかもしれないが、(ああ生活は繰り返しだ)某ドラッグストアの15%割引券に踊らされている。
 この券には期限があるのだ。それが今日までで、三枚も使われないである。

 どうせなくなるトイレットペーパーや歯磨き粉、毎年夏に使う蚊取り線香、虫さされの塗り薬… 今のうちに買っといた方がいいに決まっている。

 そして問題は、700円以上買わないと15%引きが適用されないこと。しかも一回に三枚、まとめて使えない。この某ドラッグストアは近隣に三軒もあるので、こういった場合、一軒一軒回って使う。

 しかし近鉄奈良駅界隈、JR奈良の方も、ドラッグストアがやたら多い気がする。
 マツモトさんが来たかと思えばダイコクさんがいらっしゃり、また新しくスギさんも来る。
 何か店がなくなって、新しくできるものといえばドラッグストア、という感じだ。

 ところで、さっき買い物帰りの十字路で、右から左へ直進しようとする車があった。
 私は自転車で、止まって、その車へどうぞ、と手で合図した。
 すると、助手席に乗っていた、少しお年を召された婦人が窓を開け、「どうもありがとうございます!」と本当に素敵な笑顔で言ってくれた。
 びっくりして、「いえいえ、とんでもない」と私も笑って言った。いや、ほんとに気持ちのいいお方だった。

 左へ曲がったほうに家があるので、私もその車のあとを走る形になる。
 と、まもなく車は止まり、いつもゴミを出す収集場のお宅(その家の駐車場が収集場なのだ)の、ご家族?の方だったらしい。

 ご近所に、しかも同じ町内会、こんな素敵な方がいらっしゃるのか、と、ちょっと安心した。ほとんど知らない人ばかりだから。
 笑顔で、ありがとうございます…
 新しくできるドラッグストアの店員さんも、そんな感じの方でいてくれたら嬉しい。
 いや、まず、この自分が、だ。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み