第235話 トマトの味噌汁

文字数 478文字

 こないだラジオで「意外と美味しいんですよ」みたいに言っていたので、やってみた。

 ザク切り、適当に切って、トマトの味噌汁!

 かなり抵抗があった。人生初体験である。

 そう、初体験は、緊張するものだ… あの夏の日の恋のように。

 トマトだけではどうかと思い、他の具材に、キャベツ、タマネギを入れた。

 さて、実食… 納豆ご飯と一緒にいただく。(この納豆ご飯、半熟ゆでたまごとネギ付である。なんという贅沢!)

 私腹、いや至福の時。うん、トマト、美味しい。

 味噌は沸騰させると良くないらしいから、具材をあらかじめ煮込み── トマトも適当に煮込まれた、そこで火を止め味噌を入れ。

 いや、サッパリして美味しかった。と言える。どこか、まだ納得できない部分もあるが。

 そう、先入観、これが、なかなかの敵なのだ。

 なぜトマトをわざわざ味噌汁にしなければならないのか?

 そのまま食べりゃいいだろうに。

 だが、けっこう味噌汁の具はマンネリ化する。あぶらあげ、しいたけ、豆腐、ワカメ、大根、人参… キャベツ、時にモヤシ。

 トマトというのは、まったく新しかった。

 ちょっと、嬉しかった。
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