第83話 また夏が…

文字数 1,170文字

 いやー、暑いです。
 朝晩は涼しくなった、陽射しも秋のそれだと思っていたら、いきなりまた熱帯夜みたいになりました。
 ほんとに自業自得だよな、人間の、などと思います。去年のオリンピックのことなんかも思い出します。たしか代々木公園の沢山の木々を切って、パブリックビューイングの場にしようとしていたのですよね。
 利益、その時かぎりの儲けのために、何十年もかかって大きくなってくれた木をいっぱい伐採する… ひどい話だと思いました。腹も立ちました。
 でも結局そういうふうにして来たんですよね、ヒト。
 人間族の一員として、その代償、うけとめよう、などと思ったりします。
 また原発もつくるみたいです。なんかもう、なんというか、きついです。

 すごい力が働いているんだろうなぁと思います。メディアなんかに表われない、権力とか利権とか、「白い巨塔」みたいなものが、まるで世界を動かしているんだろうなぁ、と思います。
 なんかもう、あまり希望がもてない。

 この頃はキルケゴールばかり読んでいますが、一ページ読むのに、長いときは十分くらいかかっています。結婚と恋愛(初恋)という古典的なテーマなのですが、延々と思想が書かれ続けています。読んでいて思うのは、これを今、このような書き方で発表したとしても、ほとんど見向きもされないだろうな、という…。でもやっぱり見向きたいです。
 たぶん僕が見ているのは、これを書かせたキルケゴールという人間自身のようなところで、テーマはその発露、思考の発露にすぎない、といっては乱暴ですが、その文字を追うことで彼という人間を自分の中に生かして行きたいという、そのために読もうとしているんだと思います。

 とてもじゃないけど、やっぱり「軽い」ものは読めないし、何も考えないで済むようなものは読みたくない。(書けない。)軽くても、その中に、つくられていない、装飾されていない芯のようなものがないと…
 でも、そうすると、そうでない内容のものは、誰にも読まれなくなるだろうなぁ、とも思います。それでいいんだとも思いたいですが、すると何のために公開するのかという、独り言をいっていればいいという話になります。
「迎合」とは、気になる言葉です。迎えて、合わせるだけ。それでは、何のために書いているのか分かりゃしません。欺瞞、喪失、という言葉が後をついて来ます。虚無は、いずれ訪れるとしても、でもそれも自己しだいで…
 ついでに、やさしさって何だ、などとも思います。

 まあ、いいや。
 エッセイみたいなのをいっぱい書いてきたし、あとは小説みたいなのをいっぱい書こうと目論んでいましたが、今までと変わらないことを書いていきそうです。
 あまり、決めつけず、しなやかに、いけたらとは思います。
 何のために書くのかという、定期的に訪れる自問の周期に入っているような…
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