第343話 日常、日常

文字数 753文字

 庭が賑やかだ。やたら繁茂した千両が可愛い赤い実をつけ、黄実のも可憐だ。ロウバイも黄葉し、こないだまで紅葉していたカエデとのコントラストが綺麗だった。落葉した紅は自然に風に巻かれ、道に沿って端っこに落ち着いている。
 もぐらも元気でいらっしゃるらしい。昨日も二箇所、盛り土が。春夏に活発になるらしいが、うちのもぐらは冬にやたら活動なさる。子ヤモリも元気だろうか、浄化槽のブロワーのそばにいるはずだが、もう冬眠なさったか。
 動植物、みごとに共存なさっている。クモの巣の主は、その生命、冬は終えるのか。子らは、今どこにいるのか。家のどこかにいるはずのアシダカさんは?
 つい一昨日まで暖かかったのが、昨日今日と寒い寒い。そのせいか、よく眠れる。夜は9時位に寝て、0時位にトイレに起きる他は、朝6時前位までコンコンと寝ている。いろんな夢も見ている。
 今年も終わるらしいが、特にどうということもない。カレンダーを買うぐらいだ。手帳も買っておくか。何だかんだ、最後はアナログがものをいう。
 部屋も、何となく整理がついたし、居心地が良い。底冷え以外は。ああ、床下の通気口を塞ぐか。
 一月、二月… 寒いだろうなあ! 関東、また夜行バスか… 一晩、耐えればいいだけの話だが。18きっぷはキツい、夏ならまだいいが。
 今夜は鍋だな、きりたんぽ。
 裏庭の夏みかん、収穫いつにしよう? 例年は一月中旬だったが。今年の天気は妙だから、少し早めでいいかも。このみかんの橙色が、また暖かいんだよな。寒い冬の庭に、この色は貴重だよ。
 自然のようなところには、無用な戦はないよ、つくづくそう思う。
 ソヨゴの足元にいるハシカンボク、この子がまだ可愛い白い花を咲かせてるんだよ。ちょっと寒いから、何か被せて保護しよう。そう、こいつは確か寒さに弱い…
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