第116話

文字数 674文字

 ちょっと前にメガネ屋との不和を書いたが、どうも、そういうメガネ屋さんだったらしい。
「二度とあんな店行きたくない」という人もいた、と後から聞いた。
 そういう話を聞くと、何年か前にインフルエンザの予防接種に行った内科医のことが思い出される。
 仕事上、予防接種を受けなければならなかったのだが、その医者は私が入っていくと、わざわざ椅子から立ち上がり、「初めまして、〇〇です」と私の目をしっかり見ながら、丁寧にお辞儀をされたのだった。
 びっくりした。いいお医者さんだと思った。こちらも、「かめです、よろしくお願いします」と頭を下げた。
 インフルエンザ、今まで罹ったことないんですか、と驚かれた。
 ええ、でも仕事で、予防接種しなければならなくなって…
 などと話しつつ、注射を打たれた。
 しかしいいお医者さんだった。

 こんなことから、先日のメガネ屋さんについて思い出すのは、要するに「謙虚さ」が、おたがいに足りなかった、ということだろう。
 いいメガネを作って欲しかったなぁ、と思うが、これは仕方ない。

 さて、ここ奈良は、だんだん外国からの観光客も増えてきた。
 これからは、コロナのワクチン接種とともに、インフルエンザの予防接種も必要になってくるだろう。
 右腕左腕、あちこち、大変だ。

 中国は、あいかわらず上に逆らう者は排除される、とんでもない国のままだし、この日本とて暗黙の構造は似たようなものだ。
 ロシアも言わずもがな、反発する者は消されてしまう。ほんとうに、おそろしいことだ。

 今日も今日とて時が流れる。
「パラダイスは自分で作りな」
 吟遊詩人の声がする。
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