第209話 間

文字数 410文字

 逆に、平和とは何か、と寝床の中で考えた。
 これも何やら、雲をつかむような話に見えた。
 自分の住まう場所、国で戦争が起きていない。
 でも、それが平和だとは思えない。

〈 机の端をドンと叩けば、反対の端に立たせた紙も倒れる。世界はこのように繋がっているのだ 〉

 結局、いのちの問題だろうと思う。
 生きるとか、死ぬとか。
 これを考えないわけにはいかない。

 そんなこと、べつに、考えなくても生きていけるだろう。
 でも、結局考える時が来る。
 なぜなら、生きているから。そして、死ぬのだから。

 むごい絵や、戦争体験の悲惨な話。
 見ること聞くことはだいじだけれど
 自分を苦しめてまで、そうする必要は、とも思った。
 だいじなのは、人の痛みをわかることで
 見ること聞くことがだいじなわけでもない。

 そんなこと考えないで生きれりゃ
 それがいちばん平和なのかもしれない

 でも、やっぱ生きてるうちに、考えたいネ
 死んだら、考えられなくなるからサ
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