231 巣ごもりと身ごもりならどちら?
文字数 1,204文字
『生まれましたぁ』
三春 ちゃんから赤ちゃんが生まれたって連絡があった。
「かわいい・・・・・・♡」
メールに添付されてきた赤ちゃんの写真を観て顔が緩みっぱなしの縁美 を見て僕もなんだか幸せな気分になる。
「ほんとは馳せ参じてお祝いしたいけど・・・この雪じゃ無理だから」
オンラインショップで贈ることにした。
「何がいいかな?蓮見 くん」
「うーん。縁美の方がそういうセンスあるでしょ」
「着せてあげたいもの、持たせてあげたいものが山ほどあって、思考が拡散し過ぎるから」
赤ちゃんは男の子だった。
白い肌着みたいな優しい布地のカバーオールを着ている。
裾の部分がホックで合わせ留められるようになっていて、そこを外した状態でゴマ模様のカバーがかけられたクッションの上に、ちょん、と仰向けにされている。
「ふふ。裾がひらひら、ってなっててお化けちゃんみたい」
「うん。確かに」
白いから、~~~、って感じの裾のよじれ具合で、お化けの足の辺りの感じがして・・・・・・・・かわいい・・・・・・
「あれ?蓮見くん、このポーズ」
縁美に言われて初めて気が付いた。
赤ちゃんは無意識のうちに人差し指を、つん、と立てている。
それで、右手の人差し指は上に向けて、左手の人差し指は下に向けて。
「天上天下唯我独尊、みたい」
「確かに」
両家のおじいちゃんおばあちゃんたちが大抵のものは買い尽くすだろうと思ったので、僕らは敢えてそれを外す品物を、って考えた。
「ぬいぐるみでもあまり無い動物のとか」
「貂 がある!」
でも、あまりかわいいデザインじゃない。
「靴下は?」
「赤ちゃんに靴下を履かせると体温調整がしにくくなるみたいだよ」
縁美が新たな検索ワードを入力する。
『赤ちゃん 絵本』
「click click click click・・・・・」
縁美が軽くつぶやきながら画面をスクロールしていく。
「click click click click click click click click click click ・・・・・・・・・」
延々と。
そして。
「あっ!」
まさか、っていう文字を見つけた。
『あかちゃん、あんよ』 原作△◯子、画:絵プロ鵜
カテゴリー:絵本
すぐに絵プロ鵜 に電話した。
「え、絵プロ鵜ちゃん、絵本描いてたの?」
『あー。縁美どの。デビューしたてで仕事が全然無かった時に、受けたさね。小説家を兼業するのを売りにしたアイドルの絵本原作の絵を頼まれたさね』
ありがちだ。
「この絵本って売ってるの?」
『もう絶版さね』
「手に入るかな」
『某 10冊持ってるさね』
絵プロ鵜はお金はいらないって言ったけど、定価で買うことにした。
僕は念押しした。
「内容は大丈夫だよね?」
『原作は当たり障りがない陳腐さだから問題ないさね。絵は見れば分かるさね』
その当時から著名な原作者を呑んでかかってたわけだ。
不遜じゃない。
デビュー前からココロがプロだってだけだ。
「かわいい・・・・・・♡」
メールに添付されてきた赤ちゃんの写真を観て顔が緩みっぱなしの
「ほんとは馳せ参じてお祝いしたいけど・・・この雪じゃ無理だから」
オンラインショップで贈ることにした。
「何がいいかな?
「うーん。縁美の方がそういうセンスあるでしょ」
「着せてあげたいもの、持たせてあげたいものが山ほどあって、思考が拡散し過ぎるから」
赤ちゃんは男の子だった。
白い肌着みたいな優しい布地のカバーオールを着ている。
裾の部分がホックで合わせ留められるようになっていて、そこを外した状態でゴマ模様のカバーがかけられたクッションの上に、ちょん、と仰向けにされている。
「ふふ。裾がひらひら、ってなっててお化けちゃんみたい」
「うん。確かに」
白いから、~~~、って感じの裾のよじれ具合で、お化けの足の辺りの感じがして・・・・・・・・かわいい・・・・・・
「あれ?蓮見くん、このポーズ」
縁美に言われて初めて気が付いた。
赤ちゃんは無意識のうちに人差し指を、つん、と立てている。
それで、右手の人差し指は上に向けて、左手の人差し指は下に向けて。
「天上天下唯我独尊、みたい」
「確かに」
両家のおじいちゃんおばあちゃんたちが大抵のものは買い尽くすだろうと思ったので、僕らは敢えてそれを外す品物を、って考えた。
「ぬいぐるみでもあまり無い動物のとか」
「
でも、あまりかわいいデザインじゃない。
「靴下は?」
「赤ちゃんに靴下を履かせると体温調整がしにくくなるみたいだよ」
縁美が新たな検索ワードを入力する。
『赤ちゃん 絵本』
「click click click click・・・・・」
縁美が軽くつぶやきながら画面をスクロールしていく。
「click click click click click click click click click click ・・・・・・・・・」
延々と。
そして。
「あっ!」
まさか、っていう文字を見つけた。
『あかちゃん、あんよ』 原作△◯子、画:絵プロ鵜
カテゴリー:絵本
すぐに
「え、絵プロ鵜ちゃん、絵本描いてたの?」
『あー。縁美どの。デビューしたてで仕事が全然無かった時に、受けたさね。小説家を兼業するのを売りにしたアイドルの絵本原作の絵を頼まれたさね』
ありがちだ。
「この絵本って売ってるの?」
『もう絶版さね』
「手に入るかな」
『
絵プロ鵜はお金はいらないって言ったけど、定価で買うことにした。
僕は念押しした。
「内容は大丈夫だよね?」
『原作は当たり障りがない陳腐さだから問題ないさね。絵は見れば分かるさね』
その当時から著名な原作者を呑んでかかってたわけだ。
不遜じゃない。
デビュー前からココロがプロだってだけだ。