１９２　主観と客観ならどっち？

　こんばんは。

　誰かわかりますか？

　縁美(えんみ)です。

　今夜はわたしが主観でエピソードを進めます。

　ちょっと緊張します。

　普段わたしの考えていることがわかってしまうので。

　浅い人間なので大したこと考えてなくて少し恥ずかしいですけど。

　では。

　・・・・・・・・・・・・・・・

　朝はひとりで電車出勤。
　蓮見くんは今は自転車出勤なのでちょっと寂しいかな。

「おはようございます」
「おはよう縁美ちゃん」

　スーパーに出勤するとまずは開店の準備。

　店内を掃除して商品の陳列をして。

「では今日も元気に頑張りましょう！」

　店長の掛け声で開店。

「いらっしゃいませ」

　朝は飲食店の方たちが仕入れに来るケースが多い。ウチのスーパーは鮮魚が強みだったりするので。

「今日の昼の日替わり、マグロの中おち定食にしようと思うんだけど」
「ばっちりですよ。お値段もこんな感じで・・・」
「おー、いいねー」

　昼に近づくと一般家庭の方々が増えてくる。

「あら縁美さんこんにちは」
「こんにちは。いつもありがとうございます」
「今日のお弁当でおすすめは？」
「かき揚げ丼ですね。お刺身で頂ける鮮度のエビやイカを使っていますので」
「いいわねえ。でも量がね」
「小盛りもありますよ」
「ははは。逆よぉ」
「あ・・・・大盛りですか・・・・」
「ダメかしらねえ」
「ええと・・・・・・はい。これが気持ち量が多いと思います」

　わたしは見た目と手に持った感触で4.5%ぐらい量が多いのを選んであげた。

「縁美さんがそう言うとほんとに多いみたいに感じるからねえ」
「ほんとに多いんですよ」

　午後はお惣菜の新作をみんなで打ち合わせたり。

　原価管理用のデータをまとめたり。

　今日は早出なので夕方の繁忙時間を終えたら閉店までの作業は遅出組に任せて帰宅する。

「さて買い物、っと」

　わたしは自分の店では買い物しない。
　なぜかというと、敵情視察のため。面が割れてるので近隣のライバル店って訳にはいかなくて隣の駅の繁盛店を探索する。

　店舗内の定点観察をするつもりである程度継続的に通ってるんです。

「あ」

　買おうか。
　やめようか。

「買おう」

　水で戻さず使えるひじきが10%引きになってるので10パック買ってしまった。

「蓮見くんに無駄遣いだって怒られるかな」

　なんてね。

　蓮見くんはわたしの買い物を全面的に信頼してくれてる。

　基本ケチだもんなあ、わたしは。だからだろうなあ。

　保冷仕様のエコバッグを肩にかけて電車で帰宅して。

　夕飯の支度を先にやりながら蓮見くんを待つ。

　あ。

　帰ってきた。

　嬉しい。

「蓮見くん、お帰りなさい」
「ただいま。お帰り」
「ただいま」

　5年経ってもずっと好き。

　一緒にいればいるほど、今でも好きが増え続けてるよ。

「？なに？縁美？」
「ううん。なんでも」

　幸せ。