ELEVEN 夜に飲むならコーヒー?紅茶?
文字数 1,038文字
僕と縁美 の生活においてアパートで飲むコーヒーはスティックコーヒー、紅茶はティーバッグ。
「蓮見 くん。キリマンジャロとモカブレンドどっち?」
「モカブレンド。縁美は?」
「じゃあわたしもモカ。あっ、でも眠れなくなっちゃうかな。紅茶にしようかな」
「紅茶だってカフェイン入ってるでしょ」
「うん。でもコーヒーって香りだけでなんだか目が冴えちゃうような感じじゃない?」
「確かに」
「うーん・・・そうだ、蓮見くん」
「なに」
「眠れなくなったら、何かお話ししながらわたしを寝かしつけてね」
こういうところがかわいいんだ。
15歳の頃からずっとそうだよ。
「縁美。じゃあコーヒーと紅茶以外にすれば?」
「ほうじ茶とか抹茶とかをラテにするのって流行ってるよね」
「そうなの?」
「うん。スーパーでお昼食べる時、なんとなくほうじ茶ラテとか一緒に飲んだりするよ」
「ふーん・・・なら、何か新しいラテを作ってみようか」
そんなこんなで平日の就寝時刻が迫っているというのにふたりして実験を始めたんだ。
「じゃあ・・・まずはほうじ茶で」
一応、煮出したほうじ茶を冷蔵庫に冷やしてあったので牛乳とブレンドしてガムシロップを入れてみた。
「まあ、おいしいよね」
「蓮見くん、結構甘くするんだね」
「うん。中途半端は好きじゃないから」
次に緑茶でやってみた。急須で湯呑みに入れて牛乳を混ぜる。
「抹茶ラテの薄い版みたいな感じかな」
僕がそう言ったところで縁美がイノベーションのような発言をした。
「お味噌汁、は?」
僕らは朝ご飯のお味噌汁を前日に作って小鍋を水を張ったボウルに入れて傷まないように冷やしておくのだけれども・・・その小鍋からおたまで掬ってふたりのマグカップに注いで。
そうして牛乳とガムシロとブレンドした。
「あ」
縁美が目を丸くする。
「おいしい・・・」
どれどれ、と僕も飲んでみる。
「ほんとだ・・・違和感ないね」
「だよね、蓮見くん」
塩分の取りすぎになるからと晩ごはんでは味噌汁を飲まないように習慣づけていたけど、これならば塩分もぐっと少ないし味噌が牛乳でまろやかになっている感じがする。
なにより、甘みが、合う。
「ねえ、蓮見くん」
「うん」
「パンを食べる朝は、コーヒーじゃなくって、お味噌汁ラテにしようか」
「うーん」
「どうしたの?」
「縁美。ならばコーヒーとか紅茶に味噌を入れたらご飯に合うかな?」
「・・・王道じゃないね」
「そうだね」
けれども不思議とぐっすり眠れた。
飲み物よりも縁美と僕のくつろぎのひとときのおかげなのかも。
「
「モカブレンド。縁美は?」
「じゃあわたしもモカ。あっ、でも眠れなくなっちゃうかな。紅茶にしようかな」
「紅茶だってカフェイン入ってるでしょ」
「うん。でもコーヒーって香りだけでなんだか目が冴えちゃうような感じじゃない?」
「確かに」
「うーん・・・そうだ、蓮見くん」
「なに」
「眠れなくなったら、何かお話ししながらわたしを寝かしつけてね」
こういうところがかわいいんだ。
15歳の頃からずっとそうだよ。
「縁美。じゃあコーヒーと紅茶以外にすれば?」
「ほうじ茶とか抹茶とかをラテにするのって流行ってるよね」
「そうなの?」
「うん。スーパーでお昼食べる時、なんとなくほうじ茶ラテとか一緒に飲んだりするよ」
「ふーん・・・なら、何か新しいラテを作ってみようか」
そんなこんなで平日の就寝時刻が迫っているというのにふたりして実験を始めたんだ。
「じゃあ・・・まずはほうじ茶で」
一応、煮出したほうじ茶を冷蔵庫に冷やしてあったので牛乳とブレンドしてガムシロップを入れてみた。
「まあ、おいしいよね」
「蓮見くん、結構甘くするんだね」
「うん。中途半端は好きじゃないから」
次に緑茶でやってみた。急須で湯呑みに入れて牛乳を混ぜる。
「抹茶ラテの薄い版みたいな感じかな」
僕がそう言ったところで縁美がイノベーションのような発言をした。
「お味噌汁、は?」
僕らは朝ご飯のお味噌汁を前日に作って小鍋を水を張ったボウルに入れて傷まないように冷やしておくのだけれども・・・その小鍋からおたまで掬ってふたりのマグカップに注いで。
そうして牛乳とガムシロとブレンドした。
「あ」
縁美が目を丸くする。
「おいしい・・・」
どれどれ、と僕も飲んでみる。
「ほんとだ・・・違和感ないね」
「だよね、蓮見くん」
塩分の取りすぎになるからと晩ごはんでは味噌汁を飲まないように習慣づけていたけど、これならば塩分もぐっと少ないし味噌が牛乳でまろやかになっている感じがする。
なにより、甘みが、合う。
「ねえ、蓮見くん」
「うん」
「パンを食べる朝は、コーヒーじゃなくって、お味噌汁ラテにしようか」
「うーん」
「どうしたの?」
「縁美。ならばコーヒーとか紅茶に味噌を入れたらご飯に合うかな?」
「・・・王道じゃないね」
「そうだね」
けれども不思議とぐっすり眠れた。
飲み物よりも縁美と僕のくつろぎのひとときのおかげなのかも。