EIGHTY-ONE ビキニとワンピース…どっちがエッチ!?
文字数 1,145文字
泳ぎに行けない。
「蓮見 くん。部屋で着ればいいんだよ」
縁美 は言って、ドアの陰で着替え始めた。
「ちょちょ・・・今日って平日だよ」
「平日の夜に水着になったらダメ?」
いい。
「あ、それって」
「覚えてた?」
縁美が15歳で社会へ出立ての、まだ美容師の修行中だった頃の水着だ。
美容室の先輩方(女子)と海へ行くことになって、コーディネートして貰った水着だ。
因みに、ビキニ。
「やっぱり小さいな・・・」
それは、縁美の胸が成長したという意味なのか身長が成長したという意味なのかは訊かなかった。
怖いから。
「どうかな」
「どうって?」
「もう!女としての魅力を感じるかどうかだよ!」
感じないわけがない。
ただ、コメントの仕方を間違えられないというプレッシャーがあるだけだ。
「今見ると・・・すごいセクシーだね」
「おっ!蓮見くんも大人になったねえ」
解説してくれた。
「これはね。バンドゥ・ビキニ、って言うらしいよ」
「
「うん。先輩のなすがままに買ったやつだから知らなかったけど・・・ほら、こうやって胸を寄せてボリュームがあるように見せるの。わたしに合ってるでしょ?」
「うん」
怒られた。
「じゃあ、次行くね」
いいんだろうか。
アパートで水着ショー。
しかも、縁美の。
とても、いい。
「ほら、これ」
「あ。それも・・・覚えてるよ・・・」
18歳の時に買ったやつだ。
ワンピース。
「白地だから透けるかな、って思ったけど、フルーツの絵柄が上手く隠してくれるんだよね」
「それ、いいよね」
「あ。蓮見くんも?わたしもすごく気に入ってるんだ」
縁美と初めて泊まりがけで出掛けた時に買ったものなんだ。
互いの夏休みを合わせて海の民宿に1泊2日で出かけたささやかな旅行だったけど。
「あの時はびっくりしたよね」
「うん。もうダメかと思った」
静かな海水浴場で砂浜の隣まで防波堤をずっとつたって行けたんだ。
多分高さ5mぐらいで、通ってればまだギリギリ高校生の年齢だからついふたりで無茶をしてしまった。
飛び込みしたんだ。
水深が分からなかったから僕はビビってたけどさっさと縁美が脚から真っ直ぐな姿勢で、しぽん!っていう感じの音を立てて着水したから僕も慌てて飛び込んだ。
深かったよ。
塩水だけど頑張って目を開けたら縁美が正面にいて、にこっ、って笑ってくれた・・・ような気がした。
でも。
「タンカー!?」
「泳ぐしかないね」
石油製品のタンクが港にあって、小型の内航タンカーが着岸できるバースだったんだ。
深いわけだ。
「蓮見くん、なんで平泳ぎ!?」
「クロール、できないんだよ」
なんとか逃げ切った。
「はあ、はあ、はあ・・・」
「縁美、大丈夫?」
「・・・蓮見くん」
「うん」
「また来ようね」
その後は一度も行けてない。
青春だったな。
「
「ちょちょ・・・今日って平日だよ」
「平日の夜に水着になったらダメ?」
いい。
「あ、それって」
「覚えてた?」
縁美が15歳で社会へ出立ての、まだ美容師の修行中だった頃の水着だ。
美容室の先輩方(女子)と海へ行くことになって、コーディネートして貰った水着だ。
因みに、ビキニ。
「やっぱり小さいな・・・」
それは、縁美の胸が成長したという意味なのか身長が成長したという意味なのかは訊かなかった。
怖いから。
「どうかな」
「どうって?」
「もう!女としての魅力を感じるかどうかだよ!」
感じないわけがない。
ただ、コメントの仕方を間違えられないというプレッシャーがあるだけだ。
「今見ると・・・すごいセクシーだね」
「おっ!蓮見くんも大人になったねえ」
解説してくれた。
「これはね。バンドゥ・ビキニ、って言うらしいよ」
「
らしい
?」「うん。先輩のなすがままに買ったやつだから知らなかったけど・・・ほら、こうやって胸を寄せてボリュームがあるように見せるの。わたしに合ってるでしょ?」
「うん」
怒られた。
「じゃあ、次行くね」
いいんだろうか。
アパートで水着ショー。
しかも、縁美の。
とても、いい。
「ほら、これ」
「あ。それも・・・覚えてるよ・・・」
18歳の時に買ったやつだ。
ワンピース。
「白地だから透けるかな、って思ったけど、フルーツの絵柄が上手く隠してくれるんだよね」
「それ、いいよね」
「あ。蓮見くんも?わたしもすごく気に入ってるんだ」
縁美と初めて泊まりがけで出掛けた時に買ったものなんだ。
互いの夏休みを合わせて海の民宿に1泊2日で出かけたささやかな旅行だったけど。
「あの時はびっくりしたよね」
「うん。もうダメかと思った」
静かな海水浴場で砂浜の隣まで防波堤をずっとつたって行けたんだ。
多分高さ5mぐらいで、通ってればまだギリギリ高校生の年齢だからついふたりで無茶をしてしまった。
飛び込みしたんだ。
水深が分からなかったから僕はビビってたけどさっさと縁美が脚から真っ直ぐな姿勢で、しぽん!っていう感じの音を立てて着水したから僕も慌てて飛び込んだ。
深かったよ。
塩水だけど頑張って目を開けたら縁美が正面にいて、にこっ、って笑ってくれた・・・ような気がした。
でも。
「タンカー!?」
「泳ぐしかないね」
石油製品のタンクが港にあって、小型の内航タンカーが着岸できるバースだったんだ。
深いわけだ。
「蓮見くん、なんで平泳ぎ!?」
「クロール、できないんだよ」
なんとか逃げ切った。
「はあ、はあ、はあ・・・」
「縁美、大丈夫?」
「・・・蓮見くん」
「うん」
「また来ようね」
その後は一度も行けてない。
青春だったな。