151 どうせなら楽しむ?楽しまない?
文字数 1,263文字
「馬子にも衣装だね、絵プロ鵜 」
「いやー蓮見 どの、羞恥の限りさね。それにしても縁美 どのはさすがさね。カッコいいぐらいに綺麗さね」
「うわ・・・絵プロ鵜ちゃんに褒められるとセンスありありみたいで嬉しい!」
金曜夜に開催されている中学の同窓会。一応僕らはドレスコードっぽい正装をしてみた。
そして会場になったホテルの宴会場で僕ら3人は入り口に近い場所で固まってた。
いつでも逃げられるように。
「えー、では!学年合同同窓会を開催します!はじめに、若くして亡くなった同級生がふたり居ますので黙祷致します」
そうなんだ。
僕らは20歳だけど、もう会えない同級生がふたり居る。
ひとりは女子。
高校を出て就職して職場結婚する間際の19歳の春に、ガンで亡くなった。
そしてもうひとりは男子。
その死の原因となったのは・・・
「知ってるか?笠原のやつ、自殺したって」
「げー、マジかー」
「あの県道の大橋から大雨の日に飛び込んでな。1kmほど下流で見つかった時には遺体は傷だらけだったんだと」
「はは。中学の頃からいじめが悲惨だったからなー」
みんなひとごとみたいに笑ってる。
中学の時のひとりひとりとのやりとりがその原因だったら、みんな一体どうする気だよ。
黙祷が終わった後、中華の大皿が並べられたテーブルになんとなく座らせられた。僕ら3人はそこでも固まる。
「あー。縁美さーん!久しぶりー!」
「どうも・・・・」
「蓮見くんもー!絵プちゃんもー!みんな元気してたー!?」
どうして中学の時にこういう風に話しかけてくれなかったんだろうな、この子は。
今僕らに愛想を振ってるのは僕ら3人を拾ってきた猫のように蔑んで侮蔑の言葉と態度の限りを扇動してた子なんだけど。
「ねえねえふたりは結婚しないの?」
「わー、ほんとだよー。ガンで死んじゃったあの子が結婚第一号かと思ってたけどもう無理だから・・・ふたりが第一号になりなよー!」
縁美がニコニコ笑いながら返事した。
「そうだね。あなたたちの指図は受けないけどね」
「なっ・・・・・・!」
一気に空気が冷え込んで・・・・段々と凍っていった。
「ねえ、あなたたち。笠原くんがどうして死んだか分かる?」
「な、なに言っての縁美さん。そんなの分かる訳・・・・」
「分かるよ、わたしは。笠原くんはあなたたちとか主流派の男の子たちから何を言われても何をされてもずっと笑顔だった。辛い辛い笑顔だった。わたしは蓮見くんと絵プロ鵜ちゃんと3人でいれたから生きて来られた。だからそれはわたしの責任。笠原くんと4人になってあげればよかった」
縁美・・・・・・
「他の子たちもそう。生きててもみんなここに来てない。もし来てくれたら今からでもその子を入れて4人になろうと思ってた。5人、6人、7人になろうと思ってた。だから蓮見くんはほんとうは来たくない同窓会にわたしと絵プロ鵜ちゃんを誘ってくれた。ねえみんな」
ボロボロ泣いてる。
・・・・・かわいそうに・・・・・
「みんな、その子たちを連れてきて?今すぐ!!」
それだけ言って、僕ら3人は早い時間に帰った。
「いやー
「うわ・・・絵プロ鵜ちゃんに褒められるとセンスありありみたいで嬉しい!」
金曜夜に開催されている中学の同窓会。一応僕らはドレスコードっぽい正装をしてみた。
そして会場になったホテルの宴会場で僕ら3人は入り口に近い場所で固まってた。
いつでも逃げられるように。
「えー、では!学年合同同窓会を開催します!はじめに、若くして亡くなった同級生がふたり居ますので黙祷致します」
そうなんだ。
僕らは20歳だけど、もう会えない同級生がふたり居る。
ひとりは女子。
高校を出て就職して職場結婚する間際の19歳の春に、ガンで亡くなった。
そしてもうひとりは男子。
その死の原因となったのは・・・
「知ってるか?笠原のやつ、自殺したって」
「げー、マジかー」
「あの県道の大橋から大雨の日に飛び込んでな。1kmほど下流で見つかった時には遺体は傷だらけだったんだと」
「はは。中学の頃からいじめが悲惨だったからなー」
みんなひとごとみたいに笑ってる。
中学の時のひとりひとりとのやりとりがその原因だったら、みんな一体どうする気だよ。
黙祷が終わった後、中華の大皿が並べられたテーブルになんとなく座らせられた。僕ら3人はそこでも固まる。
「あー。縁美さーん!久しぶりー!」
「どうも・・・・」
「蓮見くんもー!絵プちゃんもー!みんな元気してたー!?」
どうして中学の時にこういう風に話しかけてくれなかったんだろうな、この子は。
今僕らに愛想を振ってるのは僕ら3人を拾ってきた猫のように蔑んで侮蔑の言葉と態度の限りを扇動してた子なんだけど。
「ねえねえふたりは結婚しないの?」
「わー、ほんとだよー。ガンで死んじゃったあの子が結婚第一号かと思ってたけどもう無理だから・・・ふたりが第一号になりなよー!」
縁美がニコニコ笑いながら返事した。
「そうだね。あなたたちの指図は受けないけどね」
「なっ・・・・・・!」
一気に空気が冷え込んで・・・・段々と凍っていった。
「ねえ、あなたたち。笠原くんがどうして死んだか分かる?」
「な、なに言っての縁美さん。そんなの分かる訳・・・・」
「分かるよ、わたしは。笠原くんはあなたたちとか主流派の男の子たちから何を言われても何をされてもずっと笑顔だった。辛い辛い笑顔だった。わたしは蓮見くんと絵プロ鵜ちゃんと3人でいれたから生きて来られた。だからそれはわたしの責任。笠原くんと4人になってあげればよかった」
縁美・・・・・・
「他の子たちもそう。生きててもみんなここに来てない。もし来てくれたら今からでもその子を入れて4人になろうと思ってた。5人、6人、7人になろうと思ってた。だから蓮見くんはほんとうは来たくない同窓会にわたしと絵プロ鵜ちゃんを誘ってくれた。ねえみんな」
ボロボロ泣いてる。
・・・・・かわいそうに・・・・・
「みんな、その子たちを連れてきて?今すぐ!!」
それだけ言って、僕ら3人は早い時間に帰った。