193 破壊神と創造神ならどちら?
文字数 1,367文字
誰も抗うことができないのか。
「真直 !テメエ!」
「ひゃひゃひゃひゃ」
今日は高校で土木建築科の男子たちが共同制作していたモニュメントを破壊したらしい。
「エア文化祭の出品作品だったんだぞ!」
「ぷふっ。あの手の平の上に地球が乗っているハリボテが?」
「ハリボテだとお!?」
なぜに真直ちゃんは破壊するのか。
「はあ・・・・・放課後作業場でいただくお茶とポッキーは至福だねえ・・・ね?蓮見 さん?」
「・・・真直ちゃんはどうしてそう壊したがるの?」
「破壊無き創造はないから」
一瞬言葉の清新さに誤魔化されそうになってしまった。
「真直ちゃんは何か創造してるのかい?」
「えっ・・・・・・・」
「え・・・・・・」
「は、蓮見さん。ひどいよ・・・・いくらわたしがサメの肌よりココロの襞がゴツゴツしてるからって・・・・・・わたしだって傷つくんだよ?」
「あ・・・・・・・ごめん・・・・・・」
「う・・・う・・・・うううぅ・・・・・・空手チョーップ!」
はあ?
「あ!あああ!」
「へへーん、乙女をいたぶった報いさ!」
真直ちゃんが折った。
僕のポッキーを箱ごと粉々に。
「真直ちゃん!」
「はっはー!逃亡は風のように!」
神様。
なぜこの子に天誅をお加えにならないのですか?
「・・・・・という訳なんだよ、縁美 」
「ふふ。真直ちゃんかわいい」
「かわいい?いたずらの度が過ぎてるよ。恨みを買っていつか仕返しに遭わないかと心配だよ」
「仕返しって、ポッキーを折ったことの?」
「た、たとえば、だよ」
「ふふ。かわいい仕返し」
縁美はダメだ。
このケースに限っては彼女と同盟しよう。
「という訳なんだよ、絵プロ鵜 」
「ふむう・・・ひどい話さね」
「なんとかならないかな」
「目には目を。いたずらにはいたずらをさね」
絵プロ鵜は壮大な計画を立案した。
「まずは真直ちゃんにアイスをあげると言っておびき寄せるさね」
「う、うん」
「そしてアイスを何個も真直ちゃんの前に置いて。おもむろにドライヤーで熱風を吹きかけるさね」
「ドライヤー?」
「溶けてしまって悲しくなるさね。きっと泣かせるさね」
「絵プロ鵜」
「なにかね」
「まるで子供」
この案を採用した。
翌日、迫田 さんの作業場でおやつ休憩しているところへ真直ちゃんが学校から帰って来た。
「真直ちゃん。アイスあげる」
「やった」
たわいない。
この後隠れている絵プロ鵜が出てきて真直ちゃんのアイスにドライヤーを吹きかけて急速に溶かす。
「今さね!」
自ら気合を入れて絵プロ鵜が飛び出して来た。
「秘儀、アイス一気食べ without アイスクリーム頭痛!」
真直ちゃんは、ソーダ味の『バリバリさん』っていう一番頭がキーン、ってなりそうなかき氷系の棒アイスをてっぺんから一口で食べた。
ドライヤーが空を切る。
「ず、頭痛しないさね!?」
「ひゃひゃひゃ。わたしは生まれてからこのかた一度もアイスクリーム頭痛になったことはないのさ。ひゃひゃひゃ」
「ぐ、ぐぬううううううう!」
「ひゃひゃひゃひゃ」
「真直!」
迫田さんが見かねて割って入ってくれた。
「そんなにアイスが好きなら今から10個、3分で食え!」
「お、おじいちゃん!それは無理だよっ!」
「なら二度とイタズラするな!」
「お、おじいちゃん!」
真直ちゃんが、とうとう泣いた。
「イタズラしないと死んでしまう」
とんでもない特異体質だ。
「
「ひゃひゃひゃひゃ」
今日は高校で土木建築科の男子たちが共同制作していたモニュメントを破壊したらしい。
「エア文化祭の出品作品だったんだぞ!」
「ぷふっ。あの手の平の上に地球が乗っているハリボテが?」
「ハリボテだとお!?」
なぜに真直ちゃんは破壊するのか。
「はあ・・・・・放課後作業場でいただくお茶とポッキーは至福だねえ・・・ね?
「・・・真直ちゃんはどうしてそう壊したがるの?」
「破壊無き創造はないから」
一瞬言葉の清新さに誤魔化されそうになってしまった。
「真直ちゃんは何か創造してるのかい?」
「えっ・・・・・・・」
「え・・・・・・」
「は、蓮見さん。ひどいよ・・・・いくらわたしがサメの肌よりココロの襞がゴツゴツしてるからって・・・・・・わたしだって傷つくんだよ?」
「あ・・・・・・・ごめん・・・・・・」
「う・・・う・・・・うううぅ・・・・・・空手チョーップ!」
はあ?
「あ!あああ!」
「へへーん、乙女をいたぶった報いさ!」
真直ちゃんが折った。
僕のポッキーを箱ごと粉々に。
「真直ちゃん!」
「はっはー!逃亡は風のように!」
神様。
なぜこの子に天誅をお加えにならないのですか?
「・・・・・という訳なんだよ、
「ふふ。真直ちゃんかわいい」
「かわいい?いたずらの度が過ぎてるよ。恨みを買っていつか仕返しに遭わないかと心配だよ」
「仕返しって、ポッキーを折ったことの?」
「た、たとえば、だよ」
「ふふ。かわいい仕返し」
縁美はダメだ。
このケースに限っては彼女と同盟しよう。
「という訳なんだよ、
「ふむう・・・ひどい話さね」
「なんとかならないかな」
「目には目を。いたずらにはいたずらをさね」
絵プロ鵜は壮大な計画を立案した。
「まずは真直ちゃんにアイスをあげると言っておびき寄せるさね」
「う、うん」
「そしてアイスを何個も真直ちゃんの前に置いて。おもむろにドライヤーで熱風を吹きかけるさね」
「ドライヤー?」
「溶けてしまって悲しくなるさね。きっと泣かせるさね」
「絵プロ鵜」
「なにかね」
「まるで子供」
この案を採用した。
翌日、
「真直ちゃん。アイスあげる」
「やった」
たわいない。
この後隠れている絵プロ鵜が出てきて真直ちゃんのアイスにドライヤーを吹きかけて急速に溶かす。
「今さね!」
自ら気合を入れて絵プロ鵜が飛び出して来た。
「秘儀、アイス一気食べ without アイスクリーム頭痛!」
真直ちゃんは、ソーダ味の『バリバリさん』っていう一番頭がキーン、ってなりそうなかき氷系の棒アイスをてっぺんから一口で食べた。
ドライヤーが空を切る。
「ず、頭痛しないさね!?」
「ひゃひゃひゃ。わたしは生まれてからこのかた一度もアイスクリーム頭痛になったことはないのさ。ひゃひゃひゃ」
「ぐ、ぐぬううううううう!」
「ひゃひゃひゃひゃ」
「真直!」
迫田さんが見かねて割って入ってくれた。
「そんなにアイスが好きなら今から10個、3分で食え!」
「お、おじいちゃん!それは無理だよっ!」
「なら二度とイタズラするな!」
「お、おじいちゃん!」
真直ちゃんが、とうとう泣いた。
「イタズラしないと死んでしまう」
とんでもない特異体質だ。