134 スマッシュとドライブならどっち?
文字数 1,232文字
「こんばんは」
イケメンだ。
サラトちゃんが中学の時のコーチだった武田 さん。
コーチと言ったって若い。今は大学3年生でインカレで上位を争う現役のプレーヤーだ。オリンピック強化選手にも選出されているという。
年齢は21歳。
僕と縁美 のひとつ上だ。
なぜかサラトちゃん・武田さん・僕・縁美の4人で平日夜の体育館、バドミントンをやってる。
いや。やってる、なんておこがましくて言えない。
「では。蓮見 さんはサラトと。縁美さんは僕と基礎打ちをしましょう」
いつもは武田さんとサラトちゃんの2人でコートを一面借りて精神と肉体をほんの2時間で使い果たす。
今日僕と縁美を呼んでくれたのは・・・・・・
「縁美さん。僕の胸の辺りを狙ってください」
「はい・・・武田さん。これって何ていう球種?羽種 ?ですか?」
「ドライブです」
僕の隣にはコート半面を縦に使って『ドライブ』と呼ばれる打ち方で、相手のカラダを狙ってコート床面と並行に武田さんとシャトルを打ち合う縁美。
もちろん武田さんのリードが上手だから途切れずに打ち合えてるのだろうけど、縁美もやっぱり運動神経がいい。
「蓮見せんぱい。隣のふたり、息が合ってますね」
「・・・・・・・・・・まあ、そうだね」
「蓮見せんぱい。わたしたちは、スマッシュです」
スマッシュ?
「まずわたしからやります。コートの奥にシャトルを上げてください」
まあ、これぐらいならできるかな。
うん、いい具合に上がった。
「ぞっ!」
カシュン!
「え」
高く上げたシャトルを長身のサラトちゃんが全く見えないラケットのスウィングで音がする間も無く僕の足元に叩きつけてそのままシャトルは高速で床を滑り、コートの外へ消えていった。
「サラト。今のは400km/h行ってたかもな」
「武田さん。でも角度が甘かったです」
甘いって・・・・・・ほぼ垂直だったぞ!
僕がスマッシュを打つ番になるとサラトちゃんは気持ちよく打てるような高さ、コートの深さに絶妙にシャトルを上げてくれた。
けれども僕がどんなに精いっぱいのスマッシュを打ってもサラトちゃんは全く平然とレシーブして来る。
おこがましいかもしれないけど。
なんだか悔しい。
ドリンク休憩。
「武田コーチ、縁美さんと組んでどうですか?」
「なにがだい?」
「・・・・・・・・・・・・縁美さん、武田コーチのこと、どう思いますか?」
「え?どうって・・・・」
「素敵だと思いませんか?」
「?うん。ほんとに一流のアスリートって感じで」
「お似合いだと思いますよ」
サラトちゃん?
「蓮見せんぱい。わたしたちも息ぴったりでしたよね」
「いや・・・・秒殺され続けてたけど」
「いえ。息、合ってました」
「サラト」
「なんですか、武田コーチ」
「もしかして蓮見さんのことが好きなのか」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい・・・・・・・」
「ダメだぞ」
「えっ。どうしてですか?」
「俺がサラトを好きだからだ」
「え・・・・・・・!」
「縁美」
「うん」
「帰ろっか」
「そうだね」
イケメンだ。
サラトちゃんが中学の時のコーチだった
コーチと言ったって若い。今は大学3年生でインカレで上位を争う現役のプレーヤーだ。オリンピック強化選手にも選出されているという。
年齢は21歳。
僕と
なぜかサラトちゃん・武田さん・僕・縁美の4人で平日夜の体育館、バドミントンをやってる。
いや。やってる、なんておこがましくて言えない。
「では。
いつもは武田さんとサラトちゃんの2人でコートを一面借りて精神と肉体をほんの2時間で使い果たす。
今日僕と縁美を呼んでくれたのは・・・・・・
「縁美さん。僕の胸の辺りを狙ってください」
「はい・・・武田さん。これって何ていう球種?
「ドライブです」
僕の隣にはコート半面を縦に使って『ドライブ』と呼ばれる打ち方で、相手のカラダを狙ってコート床面と並行に武田さんとシャトルを打ち合う縁美。
もちろん武田さんのリードが上手だから途切れずに打ち合えてるのだろうけど、縁美もやっぱり運動神経がいい。
「蓮見せんぱい。隣のふたり、息が合ってますね」
「・・・・・・・・・・まあ、そうだね」
「蓮見せんぱい。わたしたちは、スマッシュです」
スマッシュ?
「まずわたしからやります。コートの奥にシャトルを上げてください」
まあ、これぐらいならできるかな。
うん、いい具合に上がった。
「ぞっ!」
カシュン!
「え」
高く上げたシャトルを長身のサラトちゃんが全く見えないラケットのスウィングで音がする間も無く僕の足元に叩きつけてそのままシャトルは高速で床を滑り、コートの外へ消えていった。
「サラト。今のは400km/h行ってたかもな」
「武田さん。でも角度が甘かったです」
甘いって・・・・・・ほぼ垂直だったぞ!
僕がスマッシュを打つ番になるとサラトちゃんは気持ちよく打てるような高さ、コートの深さに絶妙にシャトルを上げてくれた。
けれども僕がどんなに精いっぱいのスマッシュを打ってもサラトちゃんは全く平然とレシーブして来る。
おこがましいかもしれないけど。
なんだか悔しい。
ドリンク休憩。
「武田コーチ、縁美さんと組んでどうですか?」
「なにがだい?」
「・・・・・・・・・・・・縁美さん、武田コーチのこと、どう思いますか?」
「え?どうって・・・・」
「素敵だと思いませんか?」
「?うん。ほんとに一流のアスリートって感じで」
「お似合いだと思いますよ」
サラトちゃん?
「蓮見せんぱい。わたしたちも息ぴったりでしたよね」
「いや・・・・秒殺され続けてたけど」
「いえ。息、合ってました」
「サラト」
「なんですか、武田コーチ」
「もしかして蓮見さんのことが好きなのか」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい・・・・・・・」
「ダメだぞ」
「えっ。どうしてですか?」
「俺がサラトを好きだからだ」
「え・・・・・・・!」
「縁美」
「うん」
「帰ろっか」
「そうだね」