TWENTY-THREE 和菓子と洋菓子ならどっち?
文字数 953文字
「どっちにしようかな・・・」
僕は時折縁美 にお土産を買って帰る。
ちょうど駅の改札を出てロータリーを横断するとお菓子屋さんがあるんだ。
和菓子店と洋菓子店が並んで建ってる。
和菓子店の方は若旦那が跡を継いだばかりの老舗。
洋菓子店は去年ご主人が亡くなって自らがパティシエとして店を続けている老婦人のお店。
「あ・・・一口きんつばか」
店頭の木枠のガラスにかわいらしく並べられた小さなサイズのきんつば。
和菓子でありながらポップな印象を受ける。
今度は隣の洋菓子店のショウケースを覗く。
「ミニケーキか・・・・・・」
通常の1/3ほどの円周で作られたホールケーキを更にかわいらしくカットして・・・・・
なんだろな。今日は『かわいらしい』が菓子職人のテーマなんだろか。
けれども僕の問題は。
どちらかを選択せねばならぬということだ。
「ただいま」
「あ、おかえりなさい、蓮見 くん」
「コーヒーの買い置きまだあるよね」
「うん、山ほど」
「緑茶は」
「お茶っぱもまだあるけど?」
「・・・・・両方淹れよっか」
「?」
僕は優柔不断なんだろうか。
「うーん・・・甘いものと甘いもの・・・・・」
「まあ別に明日食べてもいいんだろうけどきんつばもケーキも生ものだからね・・・きんつばとかも冷蔵庫に入れて固くしたくないからやっぱり両方とも今日の内に食べた方が・・・」
「はあ。蓮見くん。我が家の家計もラクではないのですよ?」
「ごめん」
きんつばとケーキと両方をぶら下げて帰った僕に縁美は軽く怒って見せた。
でも次の瞬間には解けた。
「わたしも和洋折衷で堪能してみたかったの!」
ところがここからが問題だった。
どういう順番で食べるのが正解なのだろう。
「甘さの種類が違うからなあ・・・」
「蓮見くん、きんつば・ケーキ・きんつば・ケーキ、じゃないかな?」
「いや。きんつば・緑茶・ケーキ・コーヒー・緑茶・きんつば、でしょ」
「いやいやいや。緑茶・緑茶・コーヒー・コーヒー・ケーキ・ケーキ・ケーキ、で、きんつば!・・・・じゃない?」
なんだか楽しくなってきた。
こういうひとときが同棲の醍醐味だなあ・・・・
「あ。そういえば」
「なに?蓮見くん」
そういえば僕は昔観たアニメの主人公がこんなことを言っていたのを思い出した。
「寝る前は、ようかんだよね」
「えっ・・・」
僕は時折
ちょうど駅の改札を出てロータリーを横断するとお菓子屋さんがあるんだ。
和菓子店と洋菓子店が並んで建ってる。
和菓子店の方は若旦那が跡を継いだばかりの老舗。
洋菓子店は去年ご主人が亡くなって自らがパティシエとして店を続けている老婦人のお店。
「あ・・・一口きんつばか」
店頭の木枠のガラスにかわいらしく並べられた小さなサイズのきんつば。
和菓子でありながらポップな印象を受ける。
今度は隣の洋菓子店のショウケースを覗く。
「ミニケーキか・・・・・・」
通常の1/3ほどの円周で作られたホールケーキを更にかわいらしくカットして・・・・・
なんだろな。今日は『かわいらしい』が菓子職人のテーマなんだろか。
けれども僕の問題は。
どちらかを選択せねばならぬということだ。
「ただいま」
「あ、おかえりなさい、
「コーヒーの買い置きまだあるよね」
「うん、山ほど」
「緑茶は」
「お茶っぱもまだあるけど?」
「・・・・・両方淹れよっか」
「?」
僕は優柔不断なんだろうか。
「うーん・・・甘いものと甘いもの・・・・・」
「まあ別に明日食べてもいいんだろうけどきんつばもケーキも生ものだからね・・・きんつばとかも冷蔵庫に入れて固くしたくないからやっぱり両方とも今日の内に食べた方が・・・」
「はあ。蓮見くん。我が家の家計もラクではないのですよ?」
「ごめん」
きんつばとケーキと両方をぶら下げて帰った僕に縁美は軽く怒って見せた。
でも次の瞬間には解けた。
「わたしも和洋折衷で堪能してみたかったの!」
ところがここからが問題だった。
どういう順番で食べるのが正解なのだろう。
「甘さの種類が違うからなあ・・・」
「蓮見くん、きんつば・ケーキ・きんつば・ケーキ、じゃないかな?」
「いや。きんつば・緑茶・ケーキ・コーヒー・緑茶・きんつば、でしょ」
「いやいやいや。緑茶・緑茶・コーヒー・コーヒー・ケーキ・ケーキ・ケーキ、で、きんつば!・・・・じゃない?」
なんだか楽しくなってきた。
こういうひとときが同棲の醍醐味だなあ・・・・
「あ。そういえば」
「なに?蓮見くん」
そういえば僕は昔観たアニメの主人公がこんなことを言っていたのを思い出した。
「寝る前は、ようかんだよね」
「えっ・・・」