142 美しさと醜さならどっち?
文字数 1,161文字
「うーーーーーむ」
「絵プロ鵜 ?」
「絶世の美女はどうやったら描けるさね」
絶世ってどういう状態だろう。
浮世離れした美しさって意味かな?
「絵プロ鵜だって美女だろう」
「は、蓮見 どの!セクハラさね!」
「褒めてもセクハラなのかい」
「そ、そうさね!とにかく相手の容姿に触れるようなコメントは極力しないのがマナーさね!」
ならば。
「じゃあ漫画も絶世の美女出したらセクハラだね」
「な、なぜに?」
「だって褒めてもダメ。けなしてもダメ。ならば絶世の美女を漫画に登場させたら女性読者に対する嫌がらせ行為に当たるかもしれないだろう?」
「む・・・むぐぐぐ・・・蓮見どの」
「うん」
「少し、歩きませんか」
なんか気味悪いな・・・・・
僕はよっぽど都合のいい男なのか、漫画のアイディアに煮詰まったら絵プロ鵜に呼び出されることしばしだ。
最初はファミレスでふたりでアイディア出ししててどういうわけか新キャラでテコ入れしようと安易な発想をしていたところ、それですら煮詰まって絵プロ鵜は現実逃避の散歩を提案してきたんだ。
ファミレスから一番近い川の土手を歩いた。
「風が気持ちいいいな・・・」
「蓮見どの」
「なんだい」
「某 は不細工でござろう」
「なに言ってんだよ」
「蓮見どの。気を遣わなくていいさね。某、分相応ということを弁 えてるさね。それとも蓮見どの」
「う、うん」
「某は絶世の美女かね?」
中学の頃から親友としての付き合いだし恋愛感情を抱いたことは一度もないけど、彼女は端正な顔だとは思う。
「絵プロ鵜は美人だよ」
「縁美 どのと比べてどうかね」
「縁美と・・・・」
「縁美どのの方が美人さね」
「そ、そんなこと」
答えようがない。
それこそここで僕が縁美を褒めたら絵プロ鵜へのセクハラになるかもしれず、かといって縁美をけなしたら縁美に対するセクハラってだけじゃなくって女性全般の社会生活に陰を落としてしまうぐらいの大事だろうと思った。
「絵プロ鵜。客観的事実だけ言ってもいいかい?」
「蓮見どの。なんなりと」
「縁美は左目の下のホクロがかわいい」
「なっ」
「それから絵プロ鵜は唇のツンツンした感じがかわいい」
「ななっ!?」
立ち止まって固まってしまった。
「かわいい、というのは暗語ではござらぬか?裏の意味が実は『キモいぞこの牝犬が!』とでもいうようなニュアンスではござらぬのか!?」
「そんなわけないだろ。今日はね。どうしてか絵プロ鵜に愛おしさを感じてしまう」
「は、蓮見どの。浮気になってしまうさね!」
「別にいいさ。相手が絵プロ鵜なら縁美も許してくれるさ」
「えっ・・・・・」
「そういう友情だろう?」
「あ・・・・・そうさね。友情さね」
「友情さ」
嘘さ。
友情だけで僕ら3人は中学の時からずっと一緒にいたりしないさ。
女性としても素敵だよ。
絵プロ鵜。
絶対面と向かっては言わないけど。
「
「絶世の美女はどうやったら描けるさね」
絶世ってどういう状態だろう。
浮世離れした美しさって意味かな?
「絵プロ鵜だって美女だろう」
「は、
「褒めてもセクハラなのかい」
「そ、そうさね!とにかく相手の容姿に触れるようなコメントは極力しないのがマナーさね!」
ならば。
「じゃあ漫画も絶世の美女出したらセクハラだね」
「な、なぜに?」
「だって褒めてもダメ。けなしてもダメ。ならば絶世の美女を漫画に登場させたら女性読者に対する嫌がらせ行為に当たるかもしれないだろう?」
「む・・・むぐぐぐ・・・蓮見どの」
「うん」
「少し、歩きませんか」
なんか気味悪いな・・・・・
僕はよっぽど都合のいい男なのか、漫画のアイディアに煮詰まったら絵プロ鵜に呼び出されることしばしだ。
最初はファミレスでふたりでアイディア出ししててどういうわけか新キャラでテコ入れしようと安易な発想をしていたところ、それですら煮詰まって絵プロ鵜は現実逃避の散歩を提案してきたんだ。
ファミレスから一番近い川の土手を歩いた。
「風が気持ちいいいな・・・」
「蓮見どの」
「なんだい」
「
「なに言ってんだよ」
「蓮見どの。気を遣わなくていいさね。某、分相応ということを
「う、うん」
「某は絶世の美女かね?」
中学の頃から親友としての付き合いだし恋愛感情を抱いたことは一度もないけど、彼女は端正な顔だとは思う。
「絵プロ鵜は美人だよ」
「
「縁美と・・・・」
「縁美どのの方が美人さね」
「そ、そんなこと」
答えようがない。
それこそここで僕が縁美を褒めたら絵プロ鵜へのセクハラになるかもしれず、かといって縁美をけなしたら縁美に対するセクハラってだけじゃなくって女性全般の社会生活に陰を落としてしまうぐらいの大事だろうと思った。
「絵プロ鵜。客観的事実だけ言ってもいいかい?」
「蓮見どの。なんなりと」
「縁美は左目の下のホクロがかわいい」
「なっ」
「それから絵プロ鵜は唇のツンツンした感じがかわいい」
「ななっ!?」
立ち止まって固まってしまった。
「かわいい、というのは暗語ではござらぬか?裏の意味が実は『キモいぞこの牝犬が!』とでもいうようなニュアンスではござらぬのか!?」
「そんなわけないだろ。今日はね。どうしてか絵プロ鵜に愛おしさを感じてしまう」
「は、蓮見どの。浮気になってしまうさね!」
「別にいいさ。相手が絵プロ鵜なら縁美も許してくれるさ」
「えっ・・・・・」
「そういう友情だろう?」
「あ・・・・・そうさね。友情さね」
「友情さ」
嘘さ。
友情だけで僕ら3人は中学の時からずっと一緒にいたりしないさ。
女性としても素敵だよ。
絵プロ鵜。
絶対面と向かっては言わないけど。