137 日誌と日記、書くならどっち?読むならどっち?
文字数 1,028文字
実は僕は毎日業務日誌を書いてる。
会社から強制されたものじゃなくて自主的に、業務終了後PCを閉じる前の5分程度の短い時間で。
ビルメンテ・クリーニングの仕事でどうして?と思うなかれ。
・現場での難関箇所。
・失敗した点。
・良かった点、改良できた点 etc...
そしてこれがとても大事なんだけど。
・その日逢った人との何気ないひとこと。
7月7日。小雨。
七夕。お客さんのご担当の方が「天 の川じゃなくて雨 の川だ」とおっしゃった。
8月10日。晴れ。猛暑。
昼休憩の定食屋のおばさん。
「景気悪いのにいつもありがとね」って。
世間一般の景気だけじゃなく、僕の懐具合のことも気にしてくれてるんだろう・・・・・・・・・
「蓮見 っち、お疲れさん!お先!」
「蓮見せんぱい、お疲れ様でした。明日もよろしくお願いします」
「お疲れ様でした。お休みなさい」
10月1日。晴れ時々曇り。
美咲さんとサラトちゃんがいつもみたいに帰りに挨拶してくれた。
毎日どんなにココロが潤ってるか分からない。
ありがとう。
「ただいま、縁美 」
「あっ!」
ん?
「蓮見くんお帰りなさい。ぱっ」
『ぱっ』なんてわざわざ擬音を出すっていうことは隠すつもりはないらしい。キッチンのテーブルで万年筆を動かしてた縁美が四角いものを背中に回している。
「何?」
「しょうがない。蓮見くんにだけ」
見せてくれたのは、日記帳だった。
「分厚い・・・」
「そう。10年分書ける日記帳。知ってる?ほら、こんなの」
こういうの見たことはあった。
365日の1日が1ページで、1年ごとに罫線が一本ずつ。
10年が縦にならんでる。
そして、縁美の、硬筆習字を習っていたんじゃないかな、って思えるくらい綺麗な万年筆の筆跡が5年分あった。
「全然知らなかった・・・」
「ふふ。とうとうバレたか!って感じ」
◯年12月31日 雪。
初めての2人の大晦日。ふたりの紅白。おそば。楽しい。一晩中ゲームとお菓子もありかな?
□年12月31日 雪のち雨。
雪が雨になっちゃって少し興醒め。
蓮見くんと一年の最後にちょっと喧嘩。
だから来年はいい年にしたい・・・・・・・・・・・
☆年12月31日 なぜか快晴!
今宵は仲間たちとカウントダウンパーティ(ささやかな)
こんなに幸せなのも蓮見くんと出逢えたからかな・・・・・
「あとは非公開です」
「十分だよ」
僕はそう言って、抱きしめようかどうしようか、少し迷って。
「好きだよ」
ノーモーションで頬に口づけた。
会社から強制されたものじゃなくて自主的に、業務終了後PCを閉じる前の5分程度の短い時間で。
ビルメンテ・クリーニングの仕事でどうして?と思うなかれ。
・現場での難関箇所。
・失敗した点。
・良かった点、改良できた点 etc...
そしてこれがとても大事なんだけど。
・その日逢った人との何気ないひとこと。
7月7日。小雨。
七夕。お客さんのご担当の方が「
8月10日。晴れ。猛暑。
昼休憩の定食屋のおばさん。
「景気悪いのにいつもありがとね」って。
世間一般の景気だけじゃなく、僕の懐具合のことも気にしてくれてるんだろう・・・・・・・・・
「
「蓮見せんぱい、お疲れ様でした。明日もよろしくお願いします」
「お疲れ様でした。お休みなさい」
10月1日。晴れ時々曇り。
美咲さんとサラトちゃんがいつもみたいに帰りに挨拶してくれた。
毎日どんなにココロが潤ってるか分からない。
ありがとう。
「ただいま、
「あっ!」
ん?
「蓮見くんお帰りなさい。ぱっ」
『ぱっ』なんてわざわざ擬音を出すっていうことは隠すつもりはないらしい。キッチンのテーブルで万年筆を動かしてた縁美が四角いものを背中に回している。
「何?」
「しょうがない。蓮見くんにだけ」
見せてくれたのは、日記帳だった。
「分厚い・・・」
「そう。10年分書ける日記帳。知ってる?ほら、こんなの」
こういうの見たことはあった。
365日の1日が1ページで、1年ごとに罫線が一本ずつ。
10年が縦にならんでる。
そして、縁美の、硬筆習字を習っていたんじゃないかな、って思えるくらい綺麗な万年筆の筆跡が5年分あった。
「全然知らなかった・・・」
「ふふ。とうとうバレたか!って感じ」
◯年12月31日 雪。
初めての2人の大晦日。ふたりの紅白。おそば。楽しい。一晩中ゲームとお菓子もありかな?
□年12月31日 雪のち雨。
雪が雨になっちゃって少し興醒め。
蓮見くんと一年の最後にちょっと喧嘩。
だから来年はいい年にしたい・・・・・・・・・・・
☆年12月31日 なぜか快晴!
今宵は仲間たちとカウントダウンパーティ(ささやかな)
こんなに幸せなのも蓮見くんと出逢えたからかな・・・・・
「あとは非公開です」
「十分だよ」
僕はそう言って、抱きしめようかどうしようか、少し迷って。
「好きだよ」
ノーモーションで頬に口づけた。