FORTY-ONE さよならとまたねなら・・・
文字数 660文字
別れというものは突然で有無を言わさないものなんだね。
「美咲 さぁん。蓮見 せんぱぁい。ほんとうにほんとうにありがとうございましたぁ」
三春 ちゃんの選択は寿退社。
僕らの会社が入っているテナントビルのエレベーターホール。
一通り社員たちとの別れを済ませ、三春ちゃんと美咲さんと僕との3人で最後のお別れだ。
「三春ちゃん。こちらこそありがとう。旦那さんの実家に入ってもお舅さんとお姑さんと仲良くするんだよ。それから、元気な赤ちゃん産んでね!」
「美咲さぁん。ありがとうございますぅ。子供が生まれたら見せに来ますぅ」
「三春ちゃん」
「はい」
別れの時。
僕はこう言う。
「ありがとう。さよなら」
「はい・・・さよなら、です。せんぱい」
エレベーターが到着した。
花束を抱えて乗り込む彼女。
「さよなら」
「さよなら」
「さよなら」
そして、扉が閉まる瞬間、彼女は
「また!」
逢いましょう、という唇の動きだけが残った。
・・・・・・・・・・・・
「そっか。三春ちゃん、今日で最後だったんだね」
「うん。縁美 にもよろしくって何度も何度も言ってた」
「旦那さんのご実家って遠いの?」
「北海道だって」
「うわ!」
「完全な専業じゃないけど畑も作ってて・・・まあ、お姑さんと一緒に仲良く畑仕事するんじゃないかな」
「三春ちゃんなら大丈夫」
「縁美もそう思う?」
「うん。あの子はとても素直」
「うん」
「あー。わたしも赤ちゃん欲しくなっちゃったなー」
僕のカラダのことを思って普段はこういう言葉を口に出さない縁美だけど。
今日は僕も彼女の言葉に応じた。
「僕も、子供が欲しい」
「
僕らの会社が入っているテナントビルのエレベーターホール。
一通り社員たちとの別れを済ませ、三春ちゃんと美咲さんと僕との3人で最後のお別れだ。
「三春ちゃん。こちらこそありがとう。旦那さんの実家に入ってもお舅さんとお姑さんと仲良くするんだよ。それから、元気な赤ちゃん産んでね!」
「美咲さぁん。ありがとうございますぅ。子供が生まれたら見せに来ますぅ」
「三春ちゃん」
「はい」
別れの時。
僕はこう言う。
「ありがとう。さよなら」
「はい・・・さよなら、です。せんぱい」
エレベーターが到着した。
花束を抱えて乗り込む彼女。
「さよなら」
「さよなら」
「さよなら」
そして、扉が閉まる瞬間、彼女は
「また!」
逢いましょう、という唇の動きだけが残った。
・・・・・・・・・・・・
「そっか。三春ちゃん、今日で最後だったんだね」
「うん。
「旦那さんのご実家って遠いの?」
「北海道だって」
「うわ!」
「完全な専業じゃないけど畑も作ってて・・・まあ、お姑さんと一緒に仲良く畑仕事するんじゃないかな」
「三春ちゃんなら大丈夫」
「縁美もそう思う?」
「うん。あの子はとても素直」
「うん」
「あー。わたしも赤ちゃん欲しくなっちゃったなー」
僕のカラダのことを思って普段はこういう言葉を口に出さない縁美だけど。
今日は僕も彼女の言葉に応じた。
「僕も、子供が欲しい」