129 ノーマルとアブノーマルならどっち?
文字数 1,118文字
改めて言うまでもないけど。
僕の周囲には変わったひとたちが集まっている。
「蓮見 くん!」
「な、なに?縁美 」
「わたし子猫に餌あげたっけ!?」
「あげてないんじゃない?ほら、大家さんが躾のために自分以外があげちゃダメだって言ってたじゃない」
「じゃああの煮干し、わたし誰にあげたんだろう!?」
「蓮見っち!」
「な、なんですか?美咲 さん?」
「わたしって何歳になったんだっけ?」
「・・・・・知りませんよ」
「蓮見せんぱい」
「どうしたの?サラトちゃん?」
「わたし昨日も帰宅ランしたんですよ」
「うん」
「そうしたらすごく足のプロネーションがスムースだったので家に着いたんですけどそのまま素通りして続けて走ったんですよ」
「ふうん。どこまで行ったの?」
「4駅先です」
「え!?ちょっと待って。サラトちゃんの家って完全郊外だから駅の間隔かなり空いてるよね?何km走ったの!?」
「GPSウォッチ観てみたら50kmでした。わたし、大丈夫でしょうか?」
「わからない」
「蓮見どの!」
「なんだい?絵プロ鵜 ?」
「新しいキャラを思いついたのさね」
「へえ。どんなの?」
「小動物さね。耳が丸くて立ってて。真正面から見ると丸い顔の輪郭の上に小さな丸い耳が2個乗っかってるシルエットさね」
「へえ」
「それで手足は棒みたいに細くて蝶ネクタイなんかたまにしてるさね」
「・・・ふうん。それで?」
「甲高い声で『やあ!』とか言うさね」
「何科?」
「ネズミって何科さね?」
「絵プロ鵜。冗談で言ってる?」
「何をさね?」
「多分そのキャラ、世界で一番著作権に引っかかる奴じゃないかな」
「えっ!?既にあるさね!?」
「ダメだよ」
「ダメかね」
上記の例はそれぞれの人物のエピソードの一部分にしか過ぎない。
まあ、縁美のはちょっとかわいらしい・・・いや、ホラーっぽいか。
美咲さんのは物悲しさすら感じるし。
サラトちゃんは凛々しいアスリート女子っていう属性がすごくかっこよくて可憐でもあるんだけど、平日の帰り道に50kmのランは度が過ぎてて引くかも。
絵プロ鵜のはコメント不能だ。
RCサクセションの「ドカドカうるさいロックンロール・バンド」っていう曲で、まともなのはヴォーカルの自分だけだ、みたいな内容のことを歌ってるんだけど、僕がそういうポジションなのかもしれない。
「蓮見くん」
「なに?縁美」
「そのTシャツってこの間、神社のフリーマーケットで買ったやつでしょ?」
「うん。アメリカのハードロックバンドがインディーズ時代に出したアルバムのジャケットだよ。ぐちゃぐちゃに混ぜたミートソース・スパゲティを無造作に撮っただけのやつ。カッコ良くない?」
「蓮見くん、それ違うよ」
「えっ」
「ホールトマト缶メーカーの企業ロゴTだよ」
僕の周囲には変わったひとたちが集まっている。
「
「な、なに?
「わたし子猫に餌あげたっけ!?」
「あげてないんじゃない?ほら、大家さんが躾のために自分以外があげちゃダメだって言ってたじゃない」
「じゃああの煮干し、わたし誰にあげたんだろう!?」
「蓮見っち!」
「な、なんですか?
「わたしって何歳になったんだっけ?」
「・・・・・知りませんよ」
「蓮見せんぱい」
「どうしたの?サラトちゃん?」
「わたし昨日も帰宅ランしたんですよ」
「うん」
「そうしたらすごく足のプロネーションがスムースだったので家に着いたんですけどそのまま素通りして続けて走ったんですよ」
「ふうん。どこまで行ったの?」
「4駅先です」
「え!?ちょっと待って。サラトちゃんの家って完全郊外だから駅の間隔かなり空いてるよね?何km走ったの!?」
「GPSウォッチ観てみたら50kmでした。わたし、大丈夫でしょうか?」
「わからない」
「蓮見どの!」
「なんだい?
「新しいキャラを思いついたのさね」
「へえ。どんなの?」
「小動物さね。耳が丸くて立ってて。真正面から見ると丸い顔の輪郭の上に小さな丸い耳が2個乗っかってるシルエットさね」
「へえ」
「それで手足は棒みたいに細くて蝶ネクタイなんかたまにしてるさね」
「・・・ふうん。それで?」
「甲高い声で『やあ!』とか言うさね」
「何科?」
「ネズミって何科さね?」
「絵プロ鵜。冗談で言ってる?」
「何をさね?」
「多分そのキャラ、世界で一番著作権に引っかかる奴じゃないかな」
「えっ!?既にあるさね!?」
「ダメだよ」
「ダメかね」
上記の例はそれぞれの人物のエピソードの一部分にしか過ぎない。
まあ、縁美のはちょっとかわいらしい・・・いや、ホラーっぽいか。
美咲さんのは物悲しさすら感じるし。
サラトちゃんは凛々しいアスリート女子っていう属性がすごくかっこよくて可憐でもあるんだけど、平日の帰り道に50kmのランは度が過ぎてて引くかも。
絵プロ鵜のはコメント不能だ。
RCサクセションの「ドカドカうるさいロックンロール・バンド」っていう曲で、まともなのはヴォーカルの自分だけだ、みたいな内容のことを歌ってるんだけど、僕がそういうポジションなのかもしれない。
「蓮見くん」
「なに?縁美」
「そのTシャツってこの間、神社のフリーマーケットで買ったやつでしょ?」
「うん。アメリカのハードロックバンドがインディーズ時代に出したアルバムのジャケットだよ。ぐちゃぐちゃに混ぜたミートソース・スパゲティを無造作に撮っただけのやつ。カッコ良くない?」
「蓮見くん、それ違うよ」
「えっ」
「ホールトマト缶メーカーの企業ロゴTだよ」