第271話
文字数 644文字
ナナはいよいよ迷路に迷い込んだような気がしてくる。この三人の関係は一体なんなのだろうと首を捻る。
「あ、写真あったよ。わたしも一緒に映っているけど」
そういってスマホをさしだしてまりあがみせてくれた恋人とのツーショット画像。ナナの目が釘付けになる。しばらくまじまじと眺める。そして呟いた。
「これは……、めちゃくちゃ美形な彼氏さんですねー」
まりあが照れてスマホを取り返そうと手を伸ばしてくるけれど、もう少し見せてくださいといってナナはじっくり画面に向き合う。二人の仲がとてもいいのはわかる。まりあが会社ではみせないリラックスしたいい表情で映っているし、彼も作り物じゃない自然な笑顔だ。
けれど問題はそこではない。ナナの中でわきあがってくる違和感。彼の雰囲気も顔も綺麗すぎるのだ。違和感というより既視感 かもしれない。そう思った瞬間、封印していたはずの過去の記憶が一気に立ち上がってきてナナは呻きそうになった。しばし逡巡したものの、ちゃんと聞かないとやはり落ち着かない。そしてそうと決めたら即実行してしまうのがナナという人である。
「まりあさん、すいません。立ち入ったことかもしれないですがひとつ質問してもいいですか?」
まりあにスマホを返しながらナナが問いかける。彼女が真剣だったり集中している時、語尾は伸びない。
「うん、なに?」
まりあがのんびりとビールを飲みながら答えた。
「彼氏さん……、ゲイってことはないですよね?」
その瞬間まりあはビールを盛大に誤嚥しげほげほと苦しそうにむせだした。
「あ、写真あったよ。わたしも一緒に映っているけど」
そういってスマホをさしだしてまりあがみせてくれた恋人とのツーショット画像。ナナの目が釘付けになる。しばらくまじまじと眺める。そして呟いた。
「これは……、めちゃくちゃ美形な彼氏さんですねー」
まりあが照れてスマホを取り返そうと手を伸ばしてくるけれど、もう少し見せてくださいといってナナはじっくり画面に向き合う。二人の仲がとてもいいのはわかる。まりあが会社ではみせないリラックスしたいい表情で映っているし、彼も作り物じゃない自然な笑顔だ。
けれど問題はそこではない。ナナの中でわきあがってくる違和感。彼の雰囲気も顔も綺麗すぎるのだ。違和感というより
「まりあさん、すいません。立ち入ったことかもしれないですがひとつ質問してもいいですか?」
まりあにスマホを返しながらナナが問いかける。彼女が真剣だったり集中している時、語尾は伸びない。
「うん、なに?」
まりあがのんびりとビールを飲みながら答えた。
「彼氏さん……、ゲイってことはないですよね?」
その瞬間まりあはビールを盛大に誤嚥しげほげほと苦しそうにむせだした。