第224話
文字数 621文字
「相変わらず強気ね。せっかくかわいい顔をしているのに、性格は真逆よね」
上茶谷の言葉に坂口は思わずというように吹き出した。
「その言葉、そっくりそのままお返しますよ。上茶谷さんこそ綺麗で優しげな顔をして、言うことはかなりキツイですから」
一瞬の沈黙の後、笑いだしたふたりをまりあはなにかの映像のようにぼおっと見つめる。笑いが収まったところで上茶谷がたずねた。
「……あなた、ちゃんと掃除とかできるの?」
その言葉に坂口はどこか緊張していたものを緩めたように頷いた。
「ぶっちゃけてしまうと個人的には苦手です。でも学生時代の寮生活で共同生活の規律をきちんと守る習慣はできてますし、ご迷惑をおかけするようなことはしません。えーと上茶谷さん」
「なに?」
「それって俺の提案を了承していただけたってことでいいんですよね? 三人でルームシェア」
上茶谷は坂口の言葉にしばらく考えるように間をおいたあと肩をすくめた。
「期間限定なら。どうなるのか想像もつかないけど」
「あ、あのー」
うまく流れに入れずふたりを見つめるばかりだったまりあが、ようやく会話に割ってはいった。
「えーと、わたしの意見は……?」
「まりあさんがこの提案に反対する要素ってあります?」
さらっと返された坂口の言葉にまりあは瞬きを何度かパチパチとした後、口をへの字にしてぼそりと呟いた。
「いえ……ナイです」
坂口はそんなまりあにホッとしたような力の抜けた笑みを見せて頷いた。
「じゃ、決まりですね」
上茶谷の言葉に坂口は思わずというように吹き出した。
「その言葉、そっくりそのままお返しますよ。上茶谷さんこそ綺麗で優しげな顔をして、言うことはかなりキツイですから」
一瞬の沈黙の後、笑いだしたふたりをまりあはなにかの映像のようにぼおっと見つめる。笑いが収まったところで上茶谷がたずねた。
「……あなた、ちゃんと掃除とかできるの?」
その言葉に坂口はどこか緊張していたものを緩めたように頷いた。
「ぶっちゃけてしまうと個人的には苦手です。でも学生時代の寮生活で共同生活の規律をきちんと守る習慣はできてますし、ご迷惑をおかけするようなことはしません。えーと上茶谷さん」
「なに?」
「それって俺の提案を了承していただけたってことでいいんですよね? 三人でルームシェア」
上茶谷は坂口の言葉にしばらく考えるように間をおいたあと肩をすくめた。
「期間限定なら。どうなるのか想像もつかないけど」
「あ、あのー」
うまく流れに入れずふたりを見つめるばかりだったまりあが、ようやく会話に割ってはいった。
「えーと、わたしの意見は……?」
「まりあさんがこの提案に反対する要素ってあります?」
さらっと返された坂口の言葉にまりあは瞬きを何度かパチパチとした後、口をへの字にしてぼそりと呟いた。
「いえ……ナイです」
坂口はそんなまりあにホッとしたような力の抜けた笑みを見せて頷いた。
「じゃ、決まりですね」