第230話
文字数 575文字
「あの人は仕事の鬼だからバリバリ元気に仕事してるわよ。と、いっても私も別に毎日会うわけじゃないから顔はあまりみてないわね。実際に会ったのは最初のうちだけで、最近連絡はほとんど電話かチャットだから」
まりあも多少なりとも上島のことを気にしているようだが、上島にいたっては三人で同居するのは、青天の霹靂 だったらしく伝えた瞬間は、はあ?! と目をまん丸にして絶句した。その表情を思い出すだけで可笑しさがこみあげてきてしまう。
『まりあちゃんと住むのはまあ、仕方ないとは思っていたけどさ。なんであのボーヤも一緒に住むんだよ! なんなのそれ!』
まりあに対しては多少の余裕があるようにみえた上島が、坂口が一緒に住むとなるとそれはなくなってしまったらしい。
「まあ、あの人もあなたと坂口さんはどうなの? って聞いてくるわね」
そう答えた上茶谷の言葉に大きく瞳をみひらいたあと、へええと笑った。
「上島さんもやっぱり気にしているんですよね」
「そうなのかしらね」
まりあは浮かべていた笑みをそっと内側に溶かしこみ、真面目な表情になる。
まりあも多少なりとも上島のことを気にしているようだが、上島にいたっては三人で同居するのは、青天の
『まりあちゃんと住むのはまあ、仕方ないとは思っていたけどさ。なんであのボーヤも一緒に住むんだよ! なんなのそれ!』
まりあに対しては多少の余裕があるようにみえた上島が、坂口が一緒に住むとなるとそれはなくなってしまったらしい。
そこ
を心配する必要など一ミリもないのに、と上茶谷は笑いを噛み殺す。上島から毎日ある定期連絡の第一声は大抵、まりあちゃんとあのボーヤは元気? から始まる。それから一言。油断するなよ、と。上島は妙なところで心配しすぎるところがあると苦笑する。「まあ、あの人もあなたと坂口さんはどうなの? って聞いてくるわね」
そう答えた上茶谷の言葉に大きく瞳をみひらいたあと、へええと笑った。
「上島さんもやっぱり気にしているんですよね」
「そうなのかしらね」
まりあは浮かべていた笑みをそっと内側に溶かしこみ、真面目な表情になる。