第238話
文字数 644文字
「とりあえず食べよっか」
運ばれてきたのは、できたてあつあつのハンバーグ。上島がナイフを入れると肉汁がじゅわっと溢れてきた。彼はうまそうと呟いて丁寧に切ったそれを口に放り込んだ。
「ですね。時間もないですし」
まりあの前に置かれた皿は十種類のお惣菜が少しずつ載っているヘルシーワンプレートランチだ。
上島から久しぶりに届いたメッセージはランチの誘いだった。彼も忙しくてなかなか時間が取れないらしいがたまたま、まりあの会社の近くで打ち合わせがあるとかで声をかけてきたのだ。忙しい最中でもこうしてなんとか時間をつくって話を聞こうとする上島のマメさ、言い換えればこちらの動向を気にしているのが伝わってきて、まりあはなんだか少し可笑しくなる。
待ち合わせをしたのは会社近くにあるビストロ。上島もまりあも時間は限られているので、少し値段が張るゆえランチタイムでもそれほど混んでないこの店を選んだ。給仕される前にひとしきり、お互いの近況報告をしたところで上島が本題に入る。
「ところでさ、まりあちゃんがさっき言ってた三人の共同生活が居心地がいいって話だけど。なんていうの、男ふたり? まあ厳密にはちょっと違うかもしれないけれど、それぞれに好意を寄せられているふたりと同居してるっていう、女子的な高揚感とか満足感が心地いいってことなの?」
上島は言いにくいこともずばりと聞いてくるものの嫌な感じはしない。誰に対してもその姿勢を変えたりしない彼の性格 がわかってきたのもあるだろう。まりあも苦笑しながら答える。
運ばれてきたのは、できたてあつあつのハンバーグ。上島がナイフを入れると肉汁がじゅわっと溢れてきた。彼はうまそうと呟いて丁寧に切ったそれを口に放り込んだ。
「ですね。時間もないですし」
まりあの前に置かれた皿は十種類のお惣菜が少しずつ載っているヘルシーワンプレートランチだ。
上島から久しぶりに届いたメッセージはランチの誘いだった。彼も忙しくてなかなか時間が取れないらしいがたまたま、まりあの会社の近くで打ち合わせがあるとかで声をかけてきたのだ。忙しい最中でもこうしてなんとか時間をつくって話を聞こうとする上島のマメさ、言い換えればこちらの動向を気にしているのが伝わってきて、まりあはなんだか少し可笑しくなる。
待ち合わせをしたのは会社近くにあるビストロ。上島もまりあも時間は限られているので、少し値段が張るゆえランチタイムでもそれほど混んでないこの店を選んだ。給仕される前にひとしきり、お互いの近況報告をしたところで上島が本題に入る。
「ところでさ、まりあちゃんがさっき言ってた三人の共同生活が居心地がいいって話だけど。なんていうの、男ふたり? まあ厳密にはちょっと違うかもしれないけれど、それぞれに好意を寄せられているふたりと同居してるっていう、女子的な高揚感とか満足感が心地いいってことなの?」
上島は言いにくいこともずばりと聞いてくるものの嫌な感じはしない。誰に対してもその姿勢を変えたりしない彼の