第221話
文字数 622文字
「たとえ今、私と一緒にいたいって思ってくれたとしてもいつか……まりあに失望される。それが怖かったのもあるわね」
想像もしていなかった上茶谷の言葉にまりあは口をぽかんと開けて、上茶谷を見つめてしまう。
「じゃあどうして今、まりあさんの目の前で本心を白状しちゃってるんですか」
坂口は上茶谷の答えなど想定内とでもいうように淡々とそう言葉を続けると上茶谷も微笑んだ。
「それはまりあが」
そう言って上茶谷は思い出したように微笑んだ。
「私といたいって。もうそんな風に思える人には会えないかもしれないから、引越しするならついていく。一緒に住みたいって。心の底からそう言ってくれているのがわかったから。それなら私も。ちゃんと本心を話すべきだと思ったのよ」
上茶谷はひとつ吐息をついたあと、まりあにそっと視線を投げかけた。
「私もまりあのことがすごく好きよ。恋人がいない今、まりあのことが一番好きだし、大事なひとだと思ってる」
「ダイゴさん……」
上茶谷の言葉に、まりあの指先が震えた。すごく嬉しい。嬉しいのに何故か上茶谷のその声の響きがまりあを不安にさせる。
「……だからこそ、ね。色々考えてしまうのよ」
上茶谷は小さく吐息をついて切なげに瞳を細めて微笑んだ。
「私がまりあの大切な時間を奪ってはいけないんじゃないかって。私は本質的に……男しか愛せない。それはもう幼い頃から自問自答を重ねて、苦しんで苦しんで出した答えだから、変えられないのも自分が一番わかっているの」
想像もしていなかった上茶谷の言葉にまりあは口をぽかんと開けて、上茶谷を見つめてしまう。
「じゃあどうして今、まりあさんの目の前で本心を白状しちゃってるんですか」
坂口は上茶谷の答えなど想定内とでもいうように淡々とそう言葉を続けると上茶谷も微笑んだ。
「それはまりあが」
そう言って上茶谷は思い出したように微笑んだ。
「私といたいって。もうそんな風に思える人には会えないかもしれないから、引越しするならついていく。一緒に住みたいって。心の底からそう言ってくれているのがわかったから。それなら私も。ちゃんと本心を話すべきだと思ったのよ」
上茶谷はひとつ吐息をついたあと、まりあにそっと視線を投げかけた。
「私もまりあのことがすごく好きよ。恋人がいない今、まりあのことが一番好きだし、大事なひとだと思ってる」
「ダイゴさん……」
上茶谷の言葉に、まりあの指先が震えた。すごく嬉しい。嬉しいのに何故か上茶谷のその声の響きがまりあを不安にさせる。
「……だからこそ、ね。色々考えてしまうのよ」
上茶谷は小さく吐息をついて切なげに瞳を細めて微笑んだ。
「私がまりあの大切な時間を奪ってはいけないんじゃないかって。私は本質的に……男しか愛せない。それはもう幼い頃から自問自答を重ねて、苦しんで苦しんで出した答えだから、変えられないのも自分が一番わかっているの」