第51話
文字数 775文字
まりあは、へっ?と呟き坂口を見た。
「なんだっけ、それ」
まりあの記憶上ではどの話を教えることになっていたのか全く思いつかない。チョコレート菓子をぽきりぽきりと噛んで考えている彼女をちらりと横目でみた坂口は、すぐ忘れるしとため息をついて笑った。
「板野さんの誕生日に来たスペシャルゲストのことですよ」
その言葉で、食べていたチョコ菓子が変なところに入ってしまい、まりあは盛大にむせてしまった。
「ちょっと板野さん! 今度は誤嚥 ですか?! 激しすぎる。大丈夫ですか」
むせながらもまりあは何度も頷いた。
「ごほごほっぶふっ……! はあ。なんとか大丈夫。ああ、びっくりした」
お茶をぐびぐび飲んでようやく落ち着いたまりあは大きく吐息をついた。坂口はそんなまりあの横顔を見つめていたけれど、またすぐ口を開く。
「で、スペシャルゲストは?」
「まだその話題から離れないの?」
彼の執着ぶりにまりあが苦笑すると坂口は真面目な顔をして頷いた。
「そりゃそうですよ。飲み会なんてしばらくないし、しかも昼は板野さんは渡瀬さんとかといつも一緒にいるじゃないですか。こんな時じゃないとなかなか聞けないし」
「坂口くんはそこまでしてスペシャルゲストのナゾを解きたかったのか」
彼の勢いに驚きつつあえてからかうような口調でそう言ってみると、坂口は一瞬動きをとめて、まりあをじっとみつめた後小さく笑った。
「スペシャルゲストのナゾ……。まあ、そうですね。めちゃくちゃ解きたいです」
「そこまで言われちゃうと、ナゾを明かしたら絶対ガッカリされちゃうなあ」
ここまで深く追求されてしまうほどのナゾではないから、坂口の意図がどうであれ失望されるのは間違いない。まりあが困ったように笑っても彼は首を振る。
「ガッカリするかヒットするかは聞いてから俺がジャッジしますんで。とりあえず早く教えてくださいよ」
「なんだっけ、それ」
まりあの記憶上ではどの話を教えることになっていたのか全く思いつかない。チョコレート菓子をぽきりぽきりと噛んで考えている彼女をちらりと横目でみた坂口は、すぐ忘れるしとため息をついて笑った。
「板野さんの誕生日に来たスペシャルゲストのことですよ」
その言葉で、食べていたチョコ菓子が変なところに入ってしまい、まりあは盛大にむせてしまった。
「ちょっと板野さん! 今度は
むせながらもまりあは何度も頷いた。
「ごほごほっぶふっ……! はあ。なんとか大丈夫。ああ、びっくりした」
お茶をぐびぐび飲んでようやく落ち着いたまりあは大きく吐息をついた。坂口はそんなまりあの横顔を見つめていたけれど、またすぐ口を開く。
「で、スペシャルゲストは?」
「まだその話題から離れないの?」
彼の執着ぶりにまりあが苦笑すると坂口は真面目な顔をして頷いた。
「そりゃそうですよ。飲み会なんてしばらくないし、しかも昼は板野さんは渡瀬さんとかといつも一緒にいるじゃないですか。こんな時じゃないとなかなか聞けないし」
「坂口くんはそこまでしてスペシャルゲストのナゾを解きたかったのか」
彼の勢いに驚きつつあえてからかうような口調でそう言ってみると、坂口は一瞬動きをとめて、まりあをじっとみつめた後小さく笑った。
「スペシャルゲストのナゾ……。まあ、そうですね。めちゃくちゃ解きたいです」
「そこまで言われちゃうと、ナゾを明かしたら絶対ガッカリされちゃうなあ」
ここまで深く追求されてしまうほどのナゾではないから、坂口の意図がどうであれ失望されるのは間違いない。まりあが困ったように笑っても彼は首を振る。
「ガッカリするかヒットするかは聞いてから俺がジャッジしますんで。とりあえず早く教えてくださいよ」