第70話
文字数 614文字
まりあの問いかけに対して上茶谷はまじまじと彼女を見つめた後、ゆっくりと手を伸ばしてきた。まりあは息を飲んで身体を固くする。けれど上茶谷は人差し指で彼女の頬をちょんとつついてにっこり微笑んだだけだった。
『はい。触ったわよ』
『いやー、そんなの一瞬で、よくわからないですよ』
拗ねた子供のような言い方をするまりあに、上茶谷が面白そうな表情を浮かべたあとどこか妖艶に微笑んだ。
『そこまで言うなら私と寝てみる? 手っ取り早く触れられるわよ』
その表情がとにかく色っぽかった。まりあの心臓を大きく波打たせてさらに酔いを加速させるくらいに。そこでまりあはあることを閃いてしまった。右手をピシッと真面目な生徒のように真上にあげた。
『はい! 寝ますっ!』
『は?!』
今度は上茶谷が困惑した表情を浮かべたから、まりあは何だか楽しくなって俄然勢いが増す。
『嫁入り前のムスメがなにいってんの。冗談にきまってるでしょ。酔っぱらってんの?』
『酔ってません。というかもう嫁入り前とかそーゆーの気にしなくでください。そもそもダイゴさんがわたしと
『わかってるならいいけど……』
上茶谷の言葉に被せるようにまりあが早口で先に言ってしまう。
『わたし、ダイゴさんに添い寝をしてほしいんです』
『添い寝?!』
上茶谷がいつもよりひとつキーが高い声で叫び、まりあに近所迷惑ですよと得意げに言われて慌てて手で口を押さえた。
『はい。触ったわよ』
『いやー、そんなの一瞬で、よくわからないですよ』
拗ねた子供のような言い方をするまりあに、上茶谷が面白そうな表情を浮かべたあとどこか妖艶に微笑んだ。
『そこまで言うなら私と寝てみる? 手っ取り早く触れられるわよ』
その表情がとにかく色っぽかった。まりあの心臓を大きく波打たせてさらに酔いを加速させるくらいに。そこでまりあはあることを閃いてしまった。右手をピシッと真面目な生徒のように真上にあげた。
『はい! 寝ますっ!』
『は?!』
今度は上茶谷が困惑した表情を浮かべたから、まりあは何だか楽しくなって俄然勢いが増す。
『嫁入り前のムスメがなにいってんの。冗談にきまってるでしょ。酔っぱらってんの?』
『酔ってません。というかもう嫁入り前とかそーゆーの気にしなくでください。そもそもダイゴさんがわたしと
アレ
をしたいなんて思っていないのわかっていますから』『わかってるならいいけど……』
上茶谷の言葉に被せるようにまりあが早口で先に言ってしまう。
『わたし、ダイゴさんに添い寝をしてほしいんです』
『添い寝?!』
上茶谷がいつもよりひとつキーが高い声で叫び、まりあに近所迷惑ですよと得意げに言われて慌てて手で口を押さえた。