第52話
文字数 913文字
坂口はもう食べ終えてしまった弁当をサッサとビニールのなかにいれて片付けると、仕事の時のようなポーカーフェイスでまりあを見た。これはもう逃げられない。まりあは肚を括る。
「うーん。そこまで聞いてくるなら言いますよ。スペシャルゲストはね……」
まりあは間合いをとって坂口を見た。
「……無駄にへんな間をとって煽らないでください」
予想どおり坂口に冷静にツッコまれ笑いをこらえながら答える。
「Gとお隣さん、でした!」
「ん?」
坂口がすべての動きを停止して、まりあを見た。そんな彼を見てまりあはとうとうふきだしてしまう。
「ほらね。ガッカリしたでしょ。だからナゾのままの方がよかったのに」
「……Gってゴキブリですよね。まあそれは想定内と言えば想定内ですけど……」
「ええ!? Gが想定内ってどういうこと?」
今度はまりあが彼の言葉に目を丸くすると、坂口が苦笑した。
「Gじゃなくても猫とかね。そういう種類のナニカだと思ってました。だけどお隣さんは想定外です」
冷静にそう言われて、まりあはなんともいえない表情を浮かべた。
「坂口くんにそこまで読まれているってわたしってかなり単純ってこと?」
その言葉に坂口はようやく表情を崩して楽しそうに笑った。
「今頃気づいたんですか?」
「うわ。坂口くんて、やっぱりかわいくない」
まりあも苦笑したままペットボトルのお茶を傾ける。
「で、そのお隣さんて、どんな人なんです?」
坂口がまた真面目な顔に戻って畳み掛けてくるから、今度はまりあもはぐらかしたりせず、すぐに答える。
「どんな人って……すごく綺麗な美容師さん。Gがいきなりでてきて叫んで退治していたら、心配して様子を見に来てくれてね。それで仲良くなって今度髪を切って貰う約束したの」
細かいことは端折ったものの上茶谷が美形であること、そして仲良くなって一週間後に髪を切ってもらう予約をいれてもらったのも間違いない事実だ。坂口の表情が緩んだ。
「……すごく綺麗なお隣の美容師さん。なるほど。それでスペシャルゲスト」
そういって穏やかに微笑んだ坂口をみて、まりあも一緒に微笑む。
「ナゾの答えを聞いたらやっぱりガッカリしたでしょ?」
「いえ。スマッシュヒットです」
「うーん。そこまで聞いてくるなら言いますよ。スペシャルゲストはね……」
まりあは間合いをとって坂口を見た。
「……無駄にへんな間をとって煽らないでください」
予想どおり坂口に冷静にツッコまれ笑いをこらえながら答える。
「Gとお隣さん、でした!」
「ん?」
坂口がすべての動きを停止して、まりあを見た。そんな彼を見てまりあはとうとうふきだしてしまう。
「ほらね。ガッカリしたでしょ。だからナゾのままの方がよかったのに」
「……Gってゴキブリですよね。まあそれは想定内と言えば想定内ですけど……」
「ええ!? Gが想定内ってどういうこと?」
今度はまりあが彼の言葉に目を丸くすると、坂口が苦笑した。
「Gじゃなくても猫とかね。そういう種類のナニカだと思ってました。だけどお隣さんは想定外です」
冷静にそう言われて、まりあはなんともいえない表情を浮かべた。
「坂口くんにそこまで読まれているってわたしってかなり単純ってこと?」
その言葉に坂口はようやく表情を崩して楽しそうに笑った。
「今頃気づいたんですか?」
「うわ。坂口くんて、やっぱりかわいくない」
まりあも苦笑したままペットボトルのお茶を傾ける。
「で、そのお隣さんて、どんな人なんです?」
坂口がまた真面目な顔に戻って畳み掛けてくるから、今度はまりあもはぐらかしたりせず、すぐに答える。
「どんな人って……すごく綺麗な美容師さん。Gがいきなりでてきて叫んで退治していたら、心配して様子を見に来てくれてね。それで仲良くなって今度髪を切って貰う約束したの」
細かいことは端折ったものの上茶谷が美形であること、そして仲良くなって一週間後に髪を切ってもらう予約をいれてもらったのも間違いない事実だ。坂口の表情が緩んだ。
「……すごく綺麗なお隣の美容師さん。なるほど。それでスペシャルゲスト」
そういって穏やかに微笑んだ坂口をみて、まりあも一緒に微笑む。
「ナゾの答えを聞いたらやっぱりガッカリしたでしょ?」
「いえ。スマッシュヒットです」