第151話
文字数 802文字
「……わかっていたんです。坂口さんが板野さんのことを好きだってこと。あ、板野さんが気をつかって、ご飯食べに行くのに私を混ぜてくれようとしたのも、ちゃんと聞こえてましたよ。あそこで坂口さんに拒否されたのは、ちょっと……痛かったですね。あれでなんだか、ひゅーって空気が抜けちゃいました。だから板野さん、私のことはもう気にしなくて大丈夫です。本気モードの合コンに復活しようかなって思ってますからー」
微笑んでいるけれどどこか自分に言い聞かせているような口調に、ナナの心が透けて見えるような気がした。まりあは慌てて口を開く。
「ナナちゃん」
「はい?」
「わたし、坂口くんとは付き合わないと思う」
「は?」
ナナがぽかんとした顔をしてまりあを見た。まじまじとまりあの顔をみつめたあと弾けるように喋りだした。
「なんでですか? 私に遠慮してるとかじゃないですよね? そーゆーことを言ったらマジで怒りますよ? 結婚して子供産むならこの人がいい社内ランキング一位に好かれてるのに、断るバカがどこにいるんですかー? 」
まりあが目を丸くして苦笑する。
「そのランキング、どこからでてきたの?」
「あー、私の勝手なランキングです」
澄ました顔でそう答えたあともナナの口は止まらない。
「板野さんが別れたクソみたいな元カレより、坂口さんのが断然イイオトコですからね。多少キツイところはありますけど、若くてぴちぴちな私に見向きもせず、板野さん一筋。見た目もよくて、頼りがいもある。仕事もできて、出世もしそうな坂口さんのドコが不満なんですか?! 年齢的にもこんなチャンス、もうないですよ?」
いきなり怒涛の説教をされてまりあが口を開いたまままばたきを何度もしていると、ナナがあーあ、と口をへの字にしてため息をついた。
「すいません。つい熱くなってホントのこと言いすぎましたー」
悪びれずにそういうナナに、まりあも我慢できずついふきだしてしまう。
微笑んでいるけれどどこか自分に言い聞かせているような口調に、ナナの心が透けて見えるような気がした。まりあは慌てて口を開く。
「ナナちゃん」
「はい?」
「わたし、坂口くんとは付き合わないと思う」
「は?」
ナナがぽかんとした顔をしてまりあを見た。まじまじとまりあの顔をみつめたあと弾けるように喋りだした。
「なんでですか? 私に遠慮してるとかじゃないですよね? そーゆーことを言ったらマジで怒りますよ? 結婚して子供産むならこの人がいい社内ランキング一位に好かれてるのに、断るバカがどこにいるんですかー? 」
まりあが目を丸くして苦笑する。
「そのランキング、どこからでてきたの?」
「あー、私の勝手なランキングです」
澄ました顔でそう答えたあともナナの口は止まらない。
「板野さんが別れたクソみたいな元カレより、坂口さんのが断然イイオトコですからね。多少キツイところはありますけど、若くてぴちぴちな私に見向きもせず、板野さん一筋。見た目もよくて、頼りがいもある。仕事もできて、出世もしそうな坂口さんのドコが不満なんですか?! 年齢的にもこんなチャンス、もうないですよ?」
いきなり怒涛の説教をされてまりあが口を開いたまままばたきを何度もしていると、ナナがあーあ、と口をへの字にしてため息をついた。
「すいません。つい熱くなってホントのこと言いすぎましたー」
悪びれずにそういうナナに、まりあも我慢できずついふきだしてしまう。