第252話
文字数 655文字
「あいつ?」
急に話の流れが変わって話がわからない上茶谷が首を捻ると、上島がため息まじりに笑った。
「あのクソ生意気なぼうやだよ。大悟と同居してる」
「坂口さん? どうして彼がでてくるの?」
「今日さ。まりあちゃんとランチしてたわけ。そしたらあいつがすごい形相して店に駆け込んできてさ」
「まりあと……会ったの?」
上茶谷の表情がやや固くなる。上島は彼の表情を検分するように静かに見つめ、それから小さく笑った。
「そんな怖い顔をするなよ。お前の大事なまりあちゃんを取って食ったりしないから」
「当たり前でしょ」
まりあが短文メッセージでいきなり食事に誘ってきたのは上島と坂口が絡んでいるのかもしれない。そう思うと軽い失望が上茶谷の内側でちりりと小さく疼いた。
「眉間にシワ、寄ってるぞ」
からかうようにそう言ってくる上島に向かって上茶谷は盛大にため息をついてみせた。
「それで? 坂口さんになにか言われたの?」
「あいつ、まりあちゃんに聞こえないようにして俺になんて言ってきたと思う?」
「……知らないわよ。それを私が聞いてるんだから」
上茶谷の微かな苛立ちを感じ取ったように、上島はわざと肩をすくめてみせた。
「上茶谷さん
「は?」
上茶谷は数秒身動きせず上島を凝視したあと、つい笑ってしまう。
「バカね。からかわれたのよ」
苦笑する上茶谷を見つめ上島は毒を含んだような笑みを返してきた。
「へえ。あいつってさ、いつもあんな超真面目な表情 をして人をからかうわけ?」
急に話の流れが変わって話がわからない上茶谷が首を捻ると、上島がため息まじりに笑った。
「あのクソ生意気なぼうやだよ。大悟と同居してる」
「坂口さん? どうして彼がでてくるの?」
「今日さ。まりあちゃんとランチしてたわけ。そしたらあいつがすごい形相して店に駆け込んできてさ」
「まりあと……会ったの?」
上茶谷の表情がやや固くなる。上島は彼の表情を検分するように静かに見つめ、それから小さく笑った。
「そんな怖い顔をするなよ。お前の大事なまりあちゃんを取って食ったりしないから」
「当たり前でしょ」
まりあが短文メッセージでいきなり食事に誘ってきたのは上島と坂口が絡んでいるのかもしれない。そう思うと軽い失望が上茶谷の内側でちりりと小さく疼いた。
「眉間にシワ、寄ってるぞ」
からかうようにそう言ってくる上島に向かって上茶谷は盛大にため息をついてみせた。
「それで? 坂口さんになにか言われたの?」
「あいつ、まりあちゃんに聞こえないようにして俺になんて言ってきたと思う?」
「……知らないわよ。それを私が聞いてるんだから」
上茶谷の微かな苛立ちを感じ取ったように、上島はわざと肩をすくめてみせた。
「上茶谷さん
も
俺が貰うっていったらどうします? だってさ。なんなんだよ、あいつ」「は?」
上茶谷は数秒身動きせず上島を凝視したあと、つい笑ってしまう。
「バカね。からかわれたのよ」
苦笑する上茶谷を見つめ上島は毒を含んだような笑みを返してきた。
「へえ。あいつってさ、いつもあんな超真面目な