第185話
文字数 633文字
「じゃあ明後日、またうちの会社で午前中から打ち合わせするからよろしく。提携して自社ブランド化できそうなヘアケアと化粧品製造業者の選定作業の続き。それから、……会社のアイコンとしてもっと大悟を前面にプッシュしたいんだけどねえ。どうしても嫌なの?」
そう呟いた上島は経営者の顔になっている。上茶谷は苦笑しながら首を振る。
「だから私はあんまり目立ちたくないって言っているでしょ」
「……それについても要相談。とにかくブランドコンセプトもっと詰めないと。まだまだ甘すぎる」
「……了解。頼りにしてるわ」
上茶谷が静かに微笑むと上島は眩しそうに目を細めたあと、いつものいたずらっ子の顔をして微笑んだ。
「ビジネスだけじゃなく、プライベートでももっと頼りにしてほしいけどね」
上茶谷がそれに答える前に上島はもう玄関に向かって歩き出していた。上島を送り出したあと時計をみたら、もう午前一時近くになっていた。その後シャワーを浴びたり軽い荷物整理をしていたら、あっという間に午前ニ時だ。仕事もあるのでとりあえず寝なくてはいけない。ベッドにはいって目を閉じたものの、疲れているはずなのに上茶谷の元に眠りが訪れる気配がなかった。上島と一緒に飲んだコーヒーはほんの少しだけだから、それが原因とも思えない。
「仕方ないわね」
上茶谷はひとりそう呟いてベッドサイドのランプをつける。薄灯りが映る天井を眺める。こうして眠れずにぼんやりしていると、まりあとここで寝た時のことを、どうしても思い出してしまう。
そう呟いた上島は経営者の顔になっている。上茶谷は苦笑しながら首を振る。
「だから私はあんまり目立ちたくないって言っているでしょ」
「……それについても要相談。とにかくブランドコンセプトもっと詰めないと。まだまだ甘すぎる」
「……了解。頼りにしてるわ」
上茶谷が静かに微笑むと上島は眩しそうに目を細めたあと、いつものいたずらっ子の顔をして微笑んだ。
「ビジネスだけじゃなく、プライベートでももっと頼りにしてほしいけどね」
上茶谷がそれに答える前に上島はもう玄関に向かって歩き出していた。上島を送り出したあと時計をみたら、もう午前一時近くになっていた。その後シャワーを浴びたり軽い荷物整理をしていたら、あっという間に午前ニ時だ。仕事もあるのでとりあえず寝なくてはいけない。ベッドにはいって目を閉じたものの、疲れているはずなのに上茶谷の元に眠りが訪れる気配がなかった。上島と一緒に飲んだコーヒーはほんの少しだけだから、それが原因とも思えない。
「仕方ないわね」
上茶谷はひとりそう呟いてベッドサイドのランプをつける。薄灯りが映る天井を眺める。こうして眠れずにぼんやりしていると、まりあとここで寝た時のことを、どうしても思い出してしまう。