「ドン・キショット」 マスネ

文字数 893文字

<タイトル>

歌劇「ドン・キショット」(ドン・キホーテ)

<作曲者>

ジュール・マスネ

<おすすめCD>

ニコライ・ギャウロフ(バス)
レジーヌ・クレスパン(メゾ・ソプラノ)
ガブリエル・バキエ(バリトン)
カジミエシュ・コルド(指揮)
スイス・ロマンド管弦楽団

<解説>

 スペインの作家ミゲル・デ・セルバンテスの有名な小説「ドン・キホーテ」を、フランスの作曲家ジュール・マスネがオペラ化した、5幕仕立ての大がかりな作品です。

 「ドン・キショット」は「ドン・キホーテ」のフランス語読みになります。

 正確には、セルバンテスの原作をフランスの劇作家ジャック・ル・ロランがかいつまんで書いた戯曲(ぎきょく)面長(おもなが)騎士(きし)」を、アンリ・カーンという人物が台本に起こしたものが採用されています。

 ロシアの伝説的バス歌手フョードル・シャリアピンの歌唱を想定して書かれ、初演も彼が務めています。

 歌唱に高度な技術を求められるため、マスネのオペラの中では「ウェルテル」や「マノン」に比べ、上演の機会こそ少ないですが、文句なしにそれらと並ぶ傑作だと思います。

 見せ場はたくさんありますが、個人的に好きなシーンは、終幕、サンチョ・パンサにみとられながらドン・キショットが息を引き取る寸前、片思いの恋人ドゥルシネの歌声が聞こえてきて、彼が「ドゥルシネ……!」と(うめ)くように(さけ)ぶところです。

 長大なオペラを聴いてきて感極まったという意味もあり、この部分はついほろっときてしまいます。

 有名とはいえない作品ですが、これは名曲ですね。

 CDはこれしかわからないうえに、現在入手が困難と思われるコルド盤です。

 個人的に大好きなバス歌手ギャウロフ様(!)と、「フランスの大砲」と呼ばれた名ソプラノ・クレスパンさんが出ているので、たまらない感じです。

 ロン=ティボー音楽コンクールの名前に、彼女の名も加わったことが知られています。

 こんな名盤が知られていないとは、レコード会社はいったい何をやっているのでしょうか(汗)
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