「トゥランガリラ交響曲」 メシアン

文字数 1,216文字

<タイトル>

トゥランガリラ交響曲

<作曲者>

オリヴィエ・メシアン

<おすすめCD>

ポール・クロスリー(ピアノ)
トリスタン・ミュライユ(オンド・マルトノ)
フィルハーモニア管弦楽団
エサ=ペッカ・サロネン(指揮)
ソニー(レーベル)

<解説>

 もはや古典となった感がありますが、フランスの作曲家メシアンによる現代交響曲の傑作です。

 名前の「トゥランガリラ」はメシアンの造語であり、サンスクリット語の「トゥランガ」と「リラ」を組み合わせたものです。

 「トゥランガ」は時間や天候、リズムなどといった動的なイメージを持っており、また「リラ」のほうは遊戯や愛など、こちらも多くのイメージを持つ単語だそうです。

 一概にこれと限定することはできないようですね。

 言語というのは難しいものです。

 だからこそよいのだとも思いますが。

 編成は大オーケストラのほか、ピアノやオンド・マルトノという電子楽器を中心に、打楽器群も大量に出動します。

 近代以降の重要な書法である復調や変拍子をはじめ、メシアン自身が編み出した音楽理論がこれでもかとぶち込まれています。

 全10楽章にもおよぶ大曲ですが、聴き終えたあとのカタルシスは計り知れません。

 ちなみにメシアンは作曲家のほか、教育者や鳥類学者など多芸多才な人で、彼の弟子にはピエール・ブーレーズ、カールハインツ・シュトックハウゼン、ヤニス・クセナキス、日本人では別宮貞雄、矢代秋雄などそうそうたる顔ぶれがそろっています。

 加古隆さんもそのひとりで、彼はメシアンのレクチャーもそこそこに、パリの街で豪遊していたそうなのですが、師から「試験を受けんと合格させんぞ」と言われてしぶしぶ出席し、メシアンの前でピアノを即興で弾いたところ、「合格だ」とされたそうです。

 メシアンもすごい人ですが、加古さんはバケモノなのかというエピソードです(汗)

 これもちなみにですが、メシアンには「共感覚」という特殊能力があり、彼の場合、音を聞いたとき「色」がついて見えたそうです。

 特にも「鳥の色」が好きだったらしく、来日したときも鳥の鳴き声の収集に余念がなかったのだとか。

 天才って徹底的に天才なんですね。

 人生負けの連続のわたしは今後も徹底的に負け続けるでしょう(爆)

 それも人生ですよ!

 おすすめは先ごろフィルハーモニア管弦楽団音楽監督の引退を発表されたフィンランドの指揮者サロネンさんのものです。

 オンド・マルトノのミュライユさんもメシアンの弟子です。

 この録音は彼の若いときのもので、音楽が崩壊寸前になってはいるものの、そこにほとばしる生命力のようなものを感じとれる名盤になっています。

 クラシックというよりはプログレを聴いているような一枚ですね。

 はじめはわけがわからないナンバーだと思いますが、ぜひ一度ご体験を。
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