「２台のピアノのための協奏曲」　プーランク

＜タイトル＞

２台のピアノのための協奏曲　ニ短調　FP.61

＜作曲者＞

フランシス・プーランク

＜おすすめ音源＞

ルーカス・ユッセン（ピアノ）

アルトゥール・ユッセン（ピアノ）

アラン・アルティノグリュ（指揮）

フランクフルト放送交響楽団

＜解説＞

　フランスの作曲家プーランクによる、２台のピアノを使用した大がかりな協奏曲です。

　１９３２年に彼のパトロンであったエドモン・ド・ポリニャック公妃の委嘱によって書かれました。

　プーランクはソロ・ピアノのためのコンチェルトも作曲しており、こちらもすばらしい名曲ではありますが、一般的な知名度ではこの「２台ピアノ」のほうが勝っているように思います。

　出だしの部分が特に有名であり、ここだけがテレビなどのメディアで使用されることもあります。

　良い意味で中二っぽいと言っては失礼かもしれませんが、「バトル臭」が随所に漂う傑作です。

　全３楽章という古典的な協奏曲のスタイルに則っており、構成も過不足なく、演奏時間も比較的に短いため、たいへん聴きやすい音楽になっております。

　今回おすすめに挙げたのは、オランダのピアニストであるユッセン兄弟による演奏のライブで、YouTubeにおけるフランクフルト放送交響楽団の公式チャンネルで配信されています。

　兄・ルーカスと弟・アルトゥールは、バイオグラフィーによると３歳違いとなりますが、まるで双子のような容姿でしかも超絶イケメンという漫画の設定のようなチートスペック・プレイヤーです。

　ポルトガルが誇るレジェンド的ピアニスト、マリア・ジョアン・ピレシュさんに見出される形でデビューし、これまでに華々しい活躍を遂げています。

　指揮のアラン・アルティノグリュさんは、楽譜を隅々まで読みこんだ精緻な演奏スタイルに定評のある方です。

　個人的に大好きな指揮者で、きびきびとしていてかつ、極めるべきところでピシッと極める手腕にほれぼれとします。

　フランクフルト放送交響楽団のチャンネルは平素からヘビロテしているのですが、ご興味のわいた方はサイトでチェックしてみてください。

　タテの線を合わせるのが難しい曲のはずなのですが、もう面白いくらいに呼吸が一致した名ライブになっております。