「交響曲 第5番」 マーラー

文字数 1,120文字

<タイトル>

交響曲 第5番 (えい)ハ短調

<作曲者>

グスタフ・マーラー

<おすすめCD>

レナード・バーンスタイン(指揮)
ニューヨーク・フィルハーモニック

ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)
ベルリン・フィルハーモー管弦楽団

クラウス・テンシュテット(指揮)
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団

<解説>

 いよいよというか、ついにマーラー先生を紹介するときがやってきましたよ!

 わたしの中で、すべての音楽表現の頂点にあるお方だけに、勇気がいったのです。

 それくらい大好きな作曲家なのです。

 有名なのは第4楽章、通称「アダージェット」です。

 トーマス・マン原作の映画「ヴェニスに死す」で執拗(しつよう)に使用され、ケン・ラッセル監督の映画「マーラー」では、そのオマージュもありました。

 ここだけ聴いてももちろんよしですが、個人的にこの曲の(きも)は第3楽章のスケルツォにあるような気がします。

 なにせ、5楽章中、いちばん長い。

 しかも、通常のスケルツォ楽章と違い、ソナタ形式で書かれています。

 交響曲にスケルツォを導入したベートーヴェン先生も、まさかスケルツォを主役にした交響曲を作るバカ(失礼!)が現れるとは思わなかったでしょう。

 この楽章、木の板を打って「死神」を表現するなど、いかにもマーラー先生な演出があり、楽しめます。

 その精神世界にしびれる、あこがれる!

 この第5番の辺りから、先生はバッハを研究しだし、たいへんポリフォニックな作りになっております。

 「マーラー風ポリフォニー」とも呼ばれます。

 あと、最終第5楽章のコーダに文句をつける人がいますが、これでいいのです。

 これがマーラー先生なのです。

 この世でいちばん、先生の世界に感情移入できるわたしが言うからには、間違いありません(落ち着け!)

 うーん、癒える(^^;

 CDは3点紹介させていただきます。

 マーラー解釈のスタンダードを作ったバーンスタイン盤、マーラーとは「遅すぎる出会いだった」と語ったカラヤン盤、「マーラーが憑依している」といわしめたテンシュテット盤です。

 現役ならパーヴォ・ヤルヴィさんやジョナサン・ノットさんですかね。

 アバドもマゼールもブーレーズも旅立ってしまいましたし。

 ああ、さみしい……

 こんなに長くなったのは初めてかもしれません。

 それくらい大事なのです、マーラー先生。

 話は尽きませんが、この辺で。

 最後に前述の指揮者テンシュテットの言葉を紹介します。

「傷ついた者でなければ、マーラーは理解できない」
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み