弦楽四重奏曲 第10番 「ハープ」 ベートーヴェン

文字数 712文字

<タイトル>

弦楽四重奏曲 第10番 変ホ長調 作品74 「ハープ」

<作曲者>

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン

<おすすめCD>

アルバン・ベルク弦楽四重奏団

<解説>

 ベートーヴェン先生の創作人生の中で、中期に位置づけられる時期に作曲されたものです。

 サブタイトルの「ハープ」は、第1楽章で用いられる「ピン、ポン、パン!」というピチカート(弦楽器の弦を指で(はじ)奏法(そうほう))のモチーフが、あたかも楽器のハープのように聞こえるからというところに由来します。

 作曲者である先生本人が名づけたものではないと思いましたが、愛称として呼ばれている形です。

 この第10番の前の第7~9番は、ラズモフスキーという貴族に献呈(けんてい)されたところから、まとめて「ラズモフスキー弦楽四重奏曲」と通称されます。

 かなりガッツリ系の内容で、次に来るこの第10番では、先生もいい感じで肩の力が抜けたようです。

 聴いているとついついニコニコしてしまう音楽ですが、作品としては()()まされている印象を受けます。

 全部で16曲ある先生のカルテットの中で、ことによると自分が一番好きなナンバーかもしれません。

 なんかスルメなんですよ。

 おすすめするのは弦楽四重奏団の中で王様みたいにあつかわれるアルバン・ベルク・カルテット(通称:ABQ)のスタジオ録音です。

 全集からのものであり、彼らにはライブ録音した別の全集も存在しますが、綿密(めんみつ)かつ丁寧(ていねい)に作り上げたこのスタジオ盤を自分は好みます。

 まさに(はじ)けるようなピチカートが聴きどころです。

 ベートーヴェン先生のカルテットは捨て曲なしですし、ABQの全集は廉価(れんか)ボックスになっておりますので、秋の夜長(よなが)にガッツリという手も悪くありません。
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