「トリスタンとイゾルデ」 ワーグナー

文字数 881文字

<タイトル>

楽劇(がくげき)「トリスタンとイゾルデ」

<作曲者>

リヒャルト・ワーグナー

<おすすめ盤>

レナード・バーンスタイン(指揮)

バイエルン放送交響楽団ほか

<解説>

 ドイツの作曲家ワーグナーの大作オペラです。

 正確には「オペラ(歌劇)」ではなく、「楽劇」と呼ばれ、ワーグナー独自の表現世界のようなニュアンスになっています。

 ワーグナーの作品はとにかく長いですが、「トリスタンとイゾルデ」は特にも長い部類に入ります。

 彼の哲学的な思索がテーマになっており、思想家のテオドール・アドルノによれば、それは「個の融合は果たしてありえるのか?」ということだそうです。

 要するに「愛」のことなのですが、ワーグナーは愛の結実によって、愛し合う二人の存在までもがひとつになることはありえるのか、という思索をしていたようです。

 偉人の考えることは難しいものですが、発想がぶっ飛んでいますね。

 内容をざっくり説明すると、王子トリスタンと王女イゾルデは、結ばれない恋仲にあって、毒杯をあおって心中を図るが、侍女ブランゲーネが密かに媚薬とすり替えており、ますます深い愛の中に落ちていくというものです。

 創作を通して愛の本質に迫ろうとしたワーグナーの、ひとつの到達点と言える作品だと思います。

 冒頭の「前奏曲」とラストの「愛の死」が特に有名であり、ここだけをひとつにつなげたバージョンが、演奏会などでよく取り上げられます。

 さしあたってそちらから手に取るのはいかがでしょうか。

 おすすめはバーンスタインが残した、唯一のワーグナー録音です。

 すさまじいゆっくりテンポで展開され、じわじわとしみ込んでくるような「愛」が堪能できる名盤になっています。

 かなり粘着系な表現、と言っては怒られるでしょうが(汗)

 アドルノいわく、「ワーグナーでさえも、ついに愛の融合はかなわなかった」ということです。

 ワーグナー作品の登場人物でたとえるのなら、自分はさしずめ「ニーベルングの指輪」のアルベリヒでしょうか(汗)

 もっと紹介したいですが、今回はこの辺で。

 以上、「愛」など知らないアラフォー男のぼやきでした(コラ!)
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