交響曲 第94番 「驚愕」 ハイドン

文字数 868文字

<タイトル>

交響曲 第94番 ト長調 「驚愕(きょうがく)

<作曲者>

ヨーゼフ・ハイドン

<おすすめ盤>

サー・ゲオルグ・ショルティ(指揮)

ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団

<解説>

 ハイドンが長年つかえたエステルハージ侯の死去後、職を失ってしまった彼は興行主のザロモンからイギリスに招待され、その一度目になる滞在の時期に作曲されました。

 「時計」のときにも触れましたが、ハイドンの最後の交響曲群となる第93~104番までの12曲、いわゆる「ロンドン・セット」とか「ザロモン・セット」と呼ばれるものの2曲目ですね。

 サブタイトルの「驚愕」は「びっくり」の意味です。

 第2楽章のしかけからこう名づけられています。

 交響曲の第2楽章は「緩徐楽章(かんじょがくしょう)」といって、ハイドンの当時は基本的にゆったりとした音楽なのですね。

 ゆえに観客は眠くなります(汗)

 先生もそれをわかりきっていたので、居眠りしている聴衆を「びっくり」させて叩き起こしてやろうというアイデアを思いつきました。

 はじめはゆったりとはじまりますが、突然オーケストラを全部使用する「トゥッティ(全合奏)」により、「ジャン!」と鳴らすわけです。

 いかにもハイドン先生の思いつきそうなことと言っては失礼かもしれませんが、このいたずら心がこの曲を有名にしたのですね。

 もちろん第2楽章以外も、後年におけるハイドンの書法が凝縮された名曲になっており、手に汗を握るスペクタクルな音楽です。

 すでに出オチ感のすごい曲ですが、作曲しているときの先生の気持ちになってみると、なんだかニヤニヤしてしまいますね(汗)

 こういうユーモアのできる人って、きっと想像力が豊富なんだと思います。

 おすすめは自分の初体験であるショルティの録音で、12曲のセットが廉価で出ているはずです。

 劇的効果を狙うショルティらしく、「これでもか!」な感じの「驚愕」になっております。

 こんなすばらしい音源が安価で手に入るとは、喜んでいいんだかですね(汗)

 ほっこりしたいときなどにぜひ。

 ハイドン先生のニコニコしている顔が浮かんでくるかのようです。
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