「ヴァイオリン・ソナタ」 フランク

文字数 737文字

<タイトル>

ヴァイオリン・ソナタ イ長調

<作曲者>

セザール・フランク

<おすすめ盤>

ジャン=ジャック・カントロフ(ヴァイオリン)

ジャック・ルヴィエ(ピアノ)

デンオン(レーベル)

<解説>

 ベルギーの作曲家・オルガニストであるフランクの名曲です。

 古今東西のヴァイオリン・ソナタの中でも、そのキャッチーな曲調から愛好者の多いナンバーになっております。

 思わず歌詞をつけて口ずさみたくなるメロディですね。

 全4楽章から構成されていて、フランク自身が考案した「循環形式」と呼ばれる書法で作曲されています。

 作曲家としては先輩であるフランスのベルリオーズが考案した、「固定楽想」というやり方からヒントを得ており、ざっくり言えば、いくつかの音型を特定のルールにしたがってループさせるというものです。

 こう聞くといかにも堅苦しい音楽をイメージしてしまいそうですが、中身はむしろ真逆の美しい内容になっております。

 特に「アンニュイ」という単語が似合いそうな第1楽章と、よい意味で厨二くさい第4楽章が、個人的にお気に入りです。

 後者のほうは仲間たちと何かに立ち向かっていくような状況を想起してしまい、「さあ、行こうよ!」とか脳内で再生されてしまいます(汗)

 クラシックでこんなタイプの曲も珍しいかもしれません。

 作曲はフランクの晩年であり、同郷の友人であるヴァイオリニスト、ウジェーヌ・イザイの結婚記念日のお祝いとして捧げられています。

 おすすめはカントロフさんとルヴィエさんという方のコンビで、あまり話題にはならない演奏家なのですが、ものすごくよい仕事をなさる方々です。

 繊細・端麗・瀟洒……

 鑑賞していてうっとりとしてしまうことうけあいです。

 リラックスしたいときなどにピッタリの名盤です。
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