「ミサ曲 ロ短調」 バッハ

文字数 930文字

<タイトル>

ミサ曲 ロ短調

<作曲者>

ヨハン・セバスティアン・バッハ

<おすすめ盤>

マリア・シュターダー(ソプラノ)

ヘルタ・テッパー(アルト)

エルンスト・ヘフリガー(テノール)

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バス)

キート・エンゲン(バス)

カール・リヒター(指揮)

ミュンヘン・バッハ管弦楽団および合唱団

アルヒーフ(レーベル)

<解説>

 大バッハが死の前年に完成させた、「マタイ受難曲」「ヨハネ受難曲」などと並ぶ超大作です。

 彼の最高傑作とするファンも少なくないでしょう。

 出だしの絶望感にまずビビります。

 この世の終わりかとさえ思ってしまう悲痛な合唱です。

 CDにすると2枚にもおよぶ長さであり、聴きとおすには勇気と覚悟がいると思います。

 ただ、「マタイ」や「ヨハネ」とは違い、レシタティーフと呼ばれる語りの部分がないので、上記2作よりはまだ聴きやすいほうかもしれません。

 この曲は長い間偽作、つまりバッハの作品ではないと考えられていたのですが、現在は真作であることがわかっているそうです。

 ルター派のプロテスタントである彼が、どうしてカトリックのためのラテン語ミサを書く必要があるのかと思われていたのですね。

 この理由として、バッハが表現者としての姿勢から、自分の培ってきた能力をぞんぶんに発揮できるのがこのミサという形式であり、要するに「挑戦してみたかった」のだと考えられているようです。

 いかにも求道者なバッハにぴったりのエピソードです。

 その真偽や学術的なお話は抜きにしても、自分などはいったいバッハ以外の何者にこのような音楽が創造できるのかとさえ思ってしまいます。

 おそるべき濃密さです。

 おすすめはバッハの研究にその生涯をささげた指揮者・鍵盤楽器奏者であるリヒターの録音です。

 これをもってマスターピースとするファンもまた、多いです。

 リヒターは理想とするバッハを演奏するために楽団まで作ってしまいました。

 ライブ盤などもあるのですが、やはりここは有名なスタジオ盤を推薦しておきます。

 鬼のような豪華メンバーが、気合の入りようを示しているいます。

 全体をとおして鑑賞するには最初はキツイですが、聴き終わったあとのカタルシスは計り知れない名曲です。
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