「わたしはこの世に忘れられ」 マーラー

文字数 708文字

<タイトル>

わたしはこの世に忘れられ ~ 「リュッケルトの詩による歌曲集」より

<原詩>

フリードリヒ・リュッケルト

<作曲者>

グスタフ・マーラー

<おすすめCD>

クリスタ・ルートヴィヒ(メゾ・ソプラノ)

オットー・クレンペラー(指揮)

フィルハーモニア管弦楽団

<解説>

 ドイツの詩人であるリュッケルトの詩から、マーラーがいくつかを選び出して音楽をつけた、通称「リュッケルト歌曲集」の中の一曲です。

 「自分は世界に忘れられたのだ」という諦念(ていねん)吐露(とろ)するような内容になっています。

 それは「死んでこの世から去った」からなのか、それとも「生きてはいるけれど忘れられた」のか、そこには触れないところが心憎いですね。

 いかにもマーラー先生が感情移入しそうな詩だと思います。

 とにかく形容できない美しさで、個人的には自分の葬式で流してほしいですね。

 「人が死ぬのは忘れられたときだ」ともいいますが、リュッケルトの詩、そしてマーラーの音楽は忘れ去られず、後世の人間によりそいつづけている。

 なんとも夢があるじゃないですか。

 紹介させてもらうのは、マーラーの弟子のひとりだったクレンペラーのものです。

 「俺こそがマーラーを理解しているのだ」と、自分が受け入れられない曲の録音を(がん)として(こば)みつづけた方です。

 同じ弟子であるブルーノ・ワルターへの評価はボロクソだったようですが、ベクトルは真逆だとしても、師匠やその音楽を愛する気持ちは、等価だったのかもしれませんね。

 わたしも作文のマーラーを目指したいです(無理ゲー!)
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